研究報告

携帯電話を利用した携帯用会話補助装置(ハートチャットモバイル)の研究
研究代表者:渡辺 崇史
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なお,同ソフトウェアは機能試作版として,http://www.oew.com/HCM/Download.htmlより,ダウンロード可能である.対応機種はNTTドコモFORMA900i以降で動作する.このソフトウェアの操作方法を下記に示す.

(1)操作方法

1)ダイレクト選択による操作:表示メッセージに対応したテンキー「1〜9」を押す.

2)ステップ選択による操作:十字キーの「↑↓←→」でメッセージを選択し,中央の「センター」ボタンで確定または選択解除(初期画面に戻る)する.

3) スキャン選択による操作:「#」ボタンを押すことにより,スキャン選択開始または終了する.スキャン選択操作中は,全てのキーが「確定」ボタンになる.

(2)編集・機能設定の方法

1)「右上ファンクション」ボタン:メッセージ再生中の声かけ音量調整
  ボタンを押すごとに音量0から10段階で変更可能.ただし現在の機能試作版では,選択されたメッセージを表示した時,伝えたい相手への注意を喚起するために音楽が流れるように設定されている.

2)「0」(ゼロ)ボタン:選択ボタンの表示文字および登録メッセージ文字の編集モード切換
  編集したいメッセージ選択ボタンにカーソルを合わせて「0」ボタンを押すと,文字編集画面に変わり,選択ボタン表示文字の編集が可能となる(5文字以内).編集後に「確定」ボタンを押すと,その選択ボタンに登録するメッセージの文字編集画面に変わる(20文字以内).編集後再度「確定」ボタンを押すと,登録完了する.文字編集画面は,携帯電話に備えられたメールやメモを作成するためのテキスト編集画面であるため,仮名漢字交じりの文字や絵文字等が登録可能である.

 

 

3)「*」ボタン:選択ボタンの表示画像登録モード切換
  編集したいメッセージ選択ボタンにカーソルを合わせて「*」ボタンを押すと,携帯電話に備えられたカメラ撮影モードに変わる.任意の画像を撮影し,「保存」ボタンを押すと,選択ボタンにその画像が配置される.ただし,現在は画像やシンボルの保存・読み出し等の方法が技術課題となっているため,あくまでもテスト機能である(本ソフトウェアをすると,画像は削除される).

4.実施結果と問題点

  今回は現時点で携帯電話に実装可能な機能に絞り開発を行った.今後は,特に下記の課題について研究を行う予定である.

(1)現在の機能試作品より登録メッセージ数を増やすとともに,利用者の視認性や操作性等を向上させたアプリケーションソフトを開発し,モニタリングによって評価検討する.

(2)文字によるメッセージ表示だけでなく,音声メッセージの登録および出力,肉声音声の録音登録および出力,選択ボタンをシンボル化するための画像データの保存および呼び出し等の技術的課題に取り組む予定である.今後,アプリケーションソフト上の操作から携帯電話に備えられたSDカード等の外部メモリーとのデータ入出力に関する規格が公開されると考えられるため,これらの機能実装に向けて開発したい.

(3)インターネット上のサーバーに利用者ごとのメッセージデータ等を蓄積し,必要に応じてダウンロードして利用するといった,システムへの技術的課題にも取り組みたいと考える.

 

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Copyright(C):2006, The Research Institute of System Sciences, Nihon Fukushi University