研究報告

携帯電話アタッチメントについての研究
研究代表者:水野 暁子
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 ケータイ文化の広がり
  第 1 回高校生福祉機器アイデアコンテストを企画したころは, ケータイ文化は, まだ若者文化だったと思われる. 中高年は携帯電話を使うことはあっても, それが自分たちの文化として 拡がってはいなかったように思われる. しかし, 高齢者をターゲットとした電話機能のみの簡単な携帯電話が 売られるようになり, その後, メールやカメラの機能も持ちながら, 簡単で文字も大きく見やすくできるものができ, ケータイ文化は, 高齢者をも含んだものとなる段階に来ていると思われる. 高齢になると, かなり多くの人が 難聴になるが, 電話の声が聞きにくくなった高齢者で, 携帯メールを使うようになった人もいる. そして, 当初は 電話よりも確実に伝え合うために始めた携帯メールを, 次第に楽しみのために利用するようになり, 風景や家族の 写真をメールで送ったり, 絵文字や顔文字の感情表現も行なって, 若い世代とのメールのやり取りを楽しむように なっている. 最近の携帯電話では, 文字の大きさやボタンの大きさだけでなく, 適度に機能を絞込み, 操作の階層性も減らすなどの改良が行なわれたものがある. その結果, パソコンやインターネットには なじみにくかった高齢者の中にも, ケータイを楽しめる人が現れたのである. 文化の共有のために道具を 使いやすくしたいと, あらためて感じている次第である.

 

参考文献:
  1. 「第 1 回高校生福祉機器アイデアコンテスト作品集」
    2004 年 日本福祉大学情報社会科学部
  2. 「うたう☆クラブ」
      短歌研究社ホームページ
      http://www.mmjp.or.jp/TANKAKENKYU/
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