Viewpoint 8

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 先日,緑地公園へ散策に出かけた。そこで,むらさき色の花をみつけた。「タチツボスミレ」というスミレだった。スミレといっても日本産のものは約50種類もあり,世界有数のスミレの楽園だ。ほとんどのスミレは4月から5月に花をつけるため,まさに春を象徴する花のひとつといえる。スミレに限らず,昔から日本人の季節感は,植物によって得られる場合が多い。
しかし今,日本の野原には,西洋タンポポが多く,夏から秋にかけてはセイタカアワダチソウの独壇場だ。これらの植物は,海外から人によって持ち込まれた植物(外来植物)である。外来植物が勢力を広げ,昔はどこにでもみられた野草が次々と姿を消している。外来植物ばかりの季節感のない野原にしてはいけないと,スミレをみて思った。 (F)