所長就任のご挨拶
所長  磯貝 芳徳(情報社会科学部教授)

2001年度より当研究所の所長に就任いたしました。 情報社会システム研究所が発足したのは1995年,まさにインターネットが爆発的に喧伝 され始めた年でした。それから6年,いくつかの国に遅れはとったもののインターネット は急速に,しかも深く日本の社会に根を下ろしてきました。21世紀は“IT革命”の標語で 開けたかの感があります。IT革命は単に経済の世界に止まるものではなく,文化,教育, 政治など極めて広範な領域に革命的な変革を促すものだといわれています。革命は常に破 壊と創造をともないます。何が破壊されるべきであり,何が創造されねばならないか,人 類の叡智が試されているといってもいいでしょう。ひとびとの幸せと,活き活きとした明 るい社会を作る方向にこの革命が進むことを願わずにはいられません。情報社会システム 研究所の構想はこれらの流れを先読みするかのように生まれてきたもので,その先見性は 高く評価されるべきだと考えます。そしてその役割の重要性に改めて気づかされます。 固有の施設,固有の研究員を持たない研究所の活動には自ずから限界があるようにも思 われます。しかし限界を論じていても展望はひらけません。なかなか遭遇できない革命の 時代に我々はいるわけで,少しでもこの興奮に主体的に関わり,寄与したいではないです か。現実から遊離した目標を掲げても意味はありませんが,身の丈に合った目標のもと, 知恵と工夫で地道に限界を乗り越えていきたいと願っています。皆様のご協力をお願いす る次第です。

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