ふくしで活躍する卒業生voice玉木幸則さん

すべての人が「ともに生きていける社会」をめざして

社会福祉法人 西宮市社会福祉協議会
地域生活支援課 地域福祉権利擁護係 係長
内閣府障害者政策委員会 委員
NHK Eテレ みんなのためのバリアフリーバラエティー
「バリバラ」コメンテーター

玉木幸則さん

社会福祉学部第2部 1991年3月卒業
兵庫県/播磨養護学校(現 播磨特別支援学校)

仕事のやりがいは何ですか。

 長年、障害者の自立支援や相談支援の仕事をしてきました。現在は、社会福祉協議会で、生活福祉資金の貸付業務、日常生活自立支援業務、障害理解を深めるための業務を行っています。また、内閣府障害者政策委員会の委員として、国の障害者施策の監視や施策提案を行い、NHK Eテレ「バリバラ」では、障害のあるなしにかかわらず、生きづらさや暮らしにくさを確認していくなかで、ともに生きる社会にしていくための発信をしています。
 どの仕事も、自分も含めて「幸せやなぁ」と感じられることが大切であり、「フル・インクルージョン」すなわち、すべての人が「ともに生きていける社会」を作り上げていくことが、私のやりがいです。

仕事の現場で、「ふくし」をどうとらえていますか。

 大辞林には、「幸しあ福わせ。特に社会の構成員に等しくもたらされるべき幸福」とあります。しかし、現実は、高齢者、障害者、子ども、生活困窮者など対象別に生活支援をなんとかしようという思考になりがちです。でも、大切なことは、目の前にいる人が、何に困っているのか、その困り事に気づいているのか、本当はどう思っているのだろうか、と考えつつ、自分だったらどうしたいのかということも考えながら、支援の必要な人と「ゆらぎながら」一緒に考え続けることだと思います。

現在の仕事への就職に向けて、学生時代に取り組まれたことは何ですか。

 現在の仕事とは、直接、関係はないのですが、「祖父江日曜学校」で、障害のある子どもたちの余暇活動を子どもたちと一緒に作ったり、ガイドヘルパーのない時代でしたので、自閉症で知的障害のある男の子と遊ぶアルバイトをするなかで、生まれてから最期まで「地域で暮らすということ」にこだわりはじめたのだと思います。

大学時代の学びは、現在どのように活かされていますか。

 私は、2部生でよかったと思っています。現役生、社会人、会社を終えた人、もちろん様々な障害のある学生たちが、みんな一緒に学生生活を謳おう歌か していました。そのこともあり、ゼミでは「地域福祉の展開」を学びましたが、地域のなかで、いろいろな多様性を認め合うことが、「地域福祉の本質」であったように、今、振り返っています。

*所属・掲載内容は2020年2月現在