ふくしで活躍する卒業生voice原田啓之さん

ふくしは、人や場をつなげるクリエイティブな仕事です

医療法人清明会
障害福祉サービス事業所 PICFA
(ピクファ)施設長

原田啓之さん

社会福祉学部第1部 2000年3月卒業
福岡県/東福岡高等学校

仕事のやりがいは何ですか。

 病院内に日本初となる創作活動を仕事にする就労継続支援B型の障害者施設「PICFA(ピクファ)」を誕生させました。施設では、障害のある方が創作活動を「仕事」と位置づけ活動しています。業務は障害のある方のケアはもちろんのこと、アート画材の選出や大手企業の商品デザイン、ブランディングなど福祉の枠を超え多岐にわたります。これまで、障害者施設で行う仕事内容は簡易作業がメインでしたが、文化的な活動を通して新たな価値を生み出し、社会的に大きな変化を起こせるよう取り組んでいます。PICFAでデザインした商品を街中でみつけたり、一般の方が彼らの作品を買い、それが、彼らの自信になっている様子をみたりするとやりがいを感じます。

仕事の現場で、「ふくし」をどうとらえていますか。

 行政機関や様々な職種との連携が必要となる「ふくし」の現場では、多様な発想が必要とされます。また、出会う人たちの特性や個性を活かし、その方を尊重していけるような社会の仕組みづくり、そしてつながりを見出していくことが現場の使命だと思います。人や場などの点と点をつなげていく現場でのふくしは「クリエイティブ」な仕事だととらえています。

現在の仕事への就職に向けて、学生時代に取り組まれたことは何ですか。

 様々な知識や経験を積みたいと思い、分野外の講義を多数受講しました。また、講義内でフィールドワークの大切さも学び、障害児の母親にアンケートをとるなど、現状の福祉との比較もできました。教授陣に意見をいただきながら、物事を多角的に考えられるようになり、学部も飛び越えたくさんの友人もできました。

大学時代の学びは、現在どのように活かされていますか。

 講義や実習、ゼミを通して働き方や豊かさは健常者でも障害者でも一人ひとり違うことを学びました。一人ひとり、一つひとつの思いを丁寧にくみ取り、人格や尊厳をもち社会とのかかわりについて多角的な見方、手法も学びました。現在では、福祉施設が地域の資産として活用される新たな価値づくりに学生時代の学びが生きています。

*所属・掲載内容は2020年2月現在