はじめての「ふくし」第22版
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12(p.5)をおこない、学ぶことや文化に親しむことが、生きるためになくてはならないものであると訴えました。3445© 2004 Nihon Fukushi University「くらし」を豊かにする「いきがい」ある人生を支える「いのち・権利」を尊重するふくし 福 祉経 済工 学地 域医 療心 理教 育発 達スポーツ 「いのち・権利」を尊重するには、安心して安全にくらせるための福祉や医療、心理が必要です。一人ひとりのいのちを大切にし、その存在を権利として保障し、その人らしく生きていけるような支援が必要です。その人の生活を支えていくためには、医療や福祉、心理の関係者がチームを組み、包括的に支援していくことが求められています。そのためにも「多職種連携」は大切なアプローチです。 「くらし」を豊かにするためには、経済活動が基本です。みんなが豊かにくらしていけるような経済のあり方が大事なのですが、実際には「経済的な格差」が社会問題になっています。格差社会ともいわれます。さらには人をとりまく環境や生活の基盤としての地域のあり方も、大切な要素です。こうしたことを是正していくための経済や政治、社会全体の取り組みが大事です。 「いきがい」ある人生にしていくためには、基礎となる「共に生きる力」を育む教育や保育が不可欠です。人は生涯にわたって人間として発達していきます。また私たち一人ひとりが健康であること。またスポーツを通して、いきがいを育むこと。 こうした3つの領域に重なるのが「ふくし」です。ふつうのくらしのしあわせは、私たち一人ひとりの存在を尊重するという人権の問題であり、それぞれの生き方の問題でもあります。このことは今日、Well-beingとも言われます。しあわせな状態のことを意味します。さらには私たちのくらしの基盤となる地域や環境をよりよくしていくことが大切です。でも日本だけがよければいいのではありません。これからの日本には今まで以上に多くの外国籍の人たちと一緒に生活をしていくことになります。多文化共生や国際的な視点がとても大事になっていきます。 「ふくし」の反対語は「戦争」であるといわれます。戦争や内戦は私たちの平和なくらしを一瞬で奪っていきます。そうならないように世界中が平和でなければなりません。ユネスコは学習宣言 図1「ふくし」モデル図1 図1は、日本福祉大学が考える「ふくし」の3つの領域を示しています。「ふくし」モデル

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