はじめてのふくし21版
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2「人」を育てる「ふくし」の仕事日本の保育・幼児教育制度では、保育所は「厚生労働省」管轄の児童福祉施設、幼稚園は「文部科学省」管轄の就学前教育の学校の一種という位置づけになっています。それぞれ、児童福祉法と学校教育法に定められています。しかし、このような二本立ての保育・幼児教育制度の国は、先進国では少なくなってきています。親の就労の有無にかかわらず、すべての乳幼児にふさわしい平等で豊かな保育・幼児教育の保障をおこなうことが国際的な流れになってきています。日本でも、2006年から幼稚園と保育所の両方の機能を持つ「認定こども園」の制度がはじまりました。この「認定こども園」は、家族への子育て支援も担う施設です。このような「幼保一元化」が進んでいますので、保育所で働く保育士をめざす人は、幼稚園教諭の免許状もあわせて取得するのが普通になってきています。特に、2015年4月からスタートした「子ども・子育て支援新制度」で新しくなった「幼保連携型認定こども園」で働くには、保育士資格と幼稚園教諭免許の両方が必要です。がわとしおお利夫川44© 2004 Nihon Fukushi University保育所保育士、幼稚園教諭小学校教諭、中学校・高等学校教諭「福祉は教育の母胎であり、教育は福祉の結晶である」(小)という至言があります。その意味は、十分な教育を受けるためには、福祉の支えが必要だということです。学校の先生は、各教科を「教える」=授業だけでなく、学級担任や、部活動・サークル活動の指導、生活指導や心の悩みへの相談、進路や生活の相談などにも幅広くかかわります。また、不登校や非行、発達障害(*)などにも対応します。(*) 発達障害とは、何らかの理由で、集団生活、学習、対人関係などにおいて困難をかかえている場合をいいます。発達障害者支援法に定義される学習障害、注意欠如・多動性障害(ADHD)、高機能自閉症等を指します。―保育・教育にかかわる職業(教職)

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