はじめてのふくし21版
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3「ふくし」の課題とその解決策を考えてみましょう29私は学校に行かなくなったと同時に、家が居場所だと感じられなくなってしまった。つらい記憶や苦しい思いが詰まっていて、気づくとひとりで考えごとをしていて、またつらくなるような時間の連続だった。家にいると歯車がかみ合わないようなそんな感覚があった。かといって、外出することにもなぜかびくびくしていて、普通なら学校に行っている時間に出歩いている自分に引け目を感じていた。意を決して初めてシューレに行き、「不登校だから」というモヤモヤしたいろんな思いが晴れて、とにかく楽しかった。学校に行っている、行っていないを気にせずに過ごすことができる居場所だった。(NPO法人フリースクール全国ネットワーク編『ボクらの居場所はここにある!』東京シューレ出版、2009、39-40ページ)© 2004 Nihon Fukushi University不登校の子どもとつくるフリースクールフリースクールは、さまざまな理由で学校に行けない・行かない子どもたちの学びや成長の場として、日本では1980年代後半から全国に広がりました。現在、フリースクール全国ネットワークに加盟している団体は、81団体あります。『ボクらの居場所はここにある!』には、フリースクールに通った経験のある人たちの手記が寄せられています。この本の中で、工藤健仁さんは、フリースクール(東京シューレ)に通い始めた頃のことを次のように書いています。9

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