はじめてのふくし21版
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24障害の表記の仕方は、いろいろあります。障害、障がい、しょうがい、障碍、あるいはチャレンジドといった言い方もあります。どれが正しいかは決まっていません。それぞれに理由や考え方の違いがあります。障がいという表記をする人たちは、「害」という字はよくないから、平仮名で表記しようという立場です。でもそれに疑問をもつ考え方もあります。「障」という字にも悪い意味があるので、ぜんぶ平仮名にして「しょうがい」と書いた方がいいという意見です。一方で、最近の考え方では、障害とはその人の問題なのではなく、くらしにくさをつくっているのは社会の方にこそ問題がある。むしろ彼らは障害を被っている人たちという考え方からすれば「障害」なのです。障害のある当事者の人たちの間でも、様々な意見があるそうです。その意味では、安易に流行りだからといって「障がい」と書いてしまうことは、専門職としては控えるべきです。つまり自分は、どういう考え方にたって、どう表記をするのか。深く考えてみることが大切です。障害のある人たちの話し合いでは、どう表記するかよりも、どう共に生きていくかの方が大事だという指摘があったそうです。同じ人間を健常者と障害者と区別しないでほしいという点では、全員が共通していたそうです。© 2004 Nihon Fukushi University「障害」をどう表記するか7

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