はじめてのふくし21版
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高齢者といってもみんな介護が必要なわけではありません。むしろ、健康なお年寄りのほうが多いくらいです。ですから、まだまだ働けるのに仕事がないほどつらいことはありません。高齢者はお世話を「される人」とは限りません。長い人生でたくわえられた知恵や技術があります。その知恵や技術を生かすことはとても大切なことです。しかし、高齢者には、単純な仕事やパートタイムでの仕事はあっても、就職先は限られているのが現状です。現在、多くの人が定年退職になる60歳と年金が全額もらえるようになる65歳までのあいだ、生活費のやりくりに苦労している家庭はとても多いのです。平成24年の法改正(*)により、少なくとも年金受給開始年齢までは意欲と能力に応じて働き続けられる環境の整備を目的として、定年以降、希望者全員を対象とした継続雇用制度など、雇用確保に向けた対策が進められています。高齢者の知識や経験が生かせる仕事、また、健康な高齢者が若い人たちと同じようにできる仕事はたくさんあります。これからは、65歳と年齢を区切らないで、高齢者が働ける環境をつくっていくことが大事です。(*)「高年齢者等の雇用の安定等に関する法律」の一部改正、平成25年4月1日施行22© 2004 Nihon Fukushi Universityまだまだ働けるのに、なぜ高齢者の仕事は少ないの?

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