はじめてのふくし21版
18/68

4身近な生活の場を「ふくし」社会にこれまでは、日本を含め世界の多くの国が、国を単位として「ふくし」の充実をめざしてきました。しかし、よりきめ細かで豊かな「ふくし」社会を実現するためには、ナショナル(全国的)な水準だけでなく、ローカル(地域的)な水準で考えることも不可欠です。「いのち」を守り、「くらし」を豊かにし、「いきがい」を持ち、質の高い生活を営む場が、ふだん私たちが生活する「地域社会」です。地域社会とは、私たちが住む「まち」や「むら」ということです。まちやむらという地域は、さまざまな人間の必要(ニーズ)とその充足の問題を解決する主体が存在する「総合的な場」にほかなりません。そして、「いのち」「くらし」「いきがい」という3つの価値を大切にしながら、快適に生きてゆくことのできる社会を、「ふくし」社会とよぶことができます。この「ふくし」社会を実現していく、最小の単位が地域社会です。豊かな「ふくし」は、国やまちやむらといった政府・自治体だけでなく、企業をはじめとする市場(商品やサービスを提供する場)、NPOなどの市民組織もいまでは大きな役割を果たしています。これらの各主体が対等な関係に立ち、相互に連携し、補いあいながら生きていくことが、地域の中で求められています。16© 2004 Nihon Fukushi University

元のページ  ../index.html#18

このブックを見る