今よりも一歩前に進みたいという気持ち
岡田 多恵子 さん
大学病院・医療ソーシャルワーカー
大学院に入学した動機は、一歩前に進みたいという気持ちからでした。現場で行き詰り、疑問が数々あるのに仕事に追われ、それを立ち止まって考えることもできず流していく自分に限界を感じていたからです。
大学院では研究が何かを理解し、基礎の大切さを学びました。自身の基礎が意外にも脆く土台づくりが必要だと気づくことができました。 論文執筆を通じて、調べること、考えること、書くこと、語ることの難しさを知り、 仕事上での疑問を論文テーマとして取り上げ学術的に整理し分析をすることで、自らの実践を振り返り一歩前に進め出せたと感じています。
通信生は社会人が多く、年齢の違う様々な領域を研究する仲間に出合え、新たな刺激を受けました。何より多領域の全国ネットワークができたこと、頼れる仲間がいることは先生方からの指導で得た知識に加え、大きな財産となっています。 これからも研究活動を続けながら一歩一歩進んでいきたいと思っています。
医療・福祉・教育等の実践現場において
指導的・中核的な役割を担う、高度専門職業人を
養成する、通信制大学院です。
1969年 日本福祉大学は、わが国ではじめて「社会福祉学」の名称を持つ研究科として、
大学院 社会福祉学研究科 社会福祉学専攻を開設し、社会福祉ならびに関連領域等で活躍する人材を世に送り出してきました。
さらに2004年には、時代の要請である『社会福祉を取り巻く環境の変化に対する高度な社会福祉専門職業人の養成』に
積極的に応えるため、インターネットを活用して講義や研究指導を行う「社会福祉学専攻(通信教育)」を開設しました。
日本福祉大学大学院がこれまで培ってきた大学院教育の豊富な経験・蓄積を活かし、
臨床と政策の両方を見通せる優れた実践者・研究者・指導者を養成しています。
双方向型の通信教育システム
テキスト購読、文書添削を中心としたこれまでの通信教育とは異なり、インターネットを利用してインタラクティブ(双方向・対話形式)な指導を行います。
テキスト教材による学習を基礎としながら、インターネットを通じて教員の指導や助言を受け、また、院生間で討論や意見交換を行いながら学習・研究を進めます。このような形で教員・院生間のインターフェイスを密にすることによって、無駄のない、高い学習効果をあげることを追求しています。
スクーリングによる対面授業
スクーリングは、社会人が学びやすいよう土日に開催し、対面授業、修士論文指導、修士論文報告会、教員・院生交流会など、多彩な内容のプログラムを設けています。 また、会場である日本福祉大学名古屋キャンパスは名古屋の都心部に立地(名古屋駅からJRで約10分)しており、全国各地に住む院生にとっては抜群の交通アクセスです。
20名以上の教授陣による、質の高い修士
論文執筆に向けた、きめ細やかな指導体制
入学後、まずはスクーリングや演習の履修により、大学院における社会福祉の研究方法の基礎を修得します。その上で、指導教員から、スクーリング、インターネット掲示板、Eメール等を活用して、厳しくきめ細やかな指導を受けながら、本格的に修士論文執筆に取り組みます。遠隔地に住む院生も不利益なく計画的に研究が進められるよう、一人ひとりに合わせた修士論文指導体制を整備しています。

2014年度修了生(10期生)
修士論文テーマ
- 過疎地域の再生を実現するための要因に関する研究
- 保育士養成課程における社会福祉施設実習教育のあり方に関する研究
- 高齢者虐待への介入後の支援に関する研究
- 子育てを支えるソーシャルキャピタルに関する研究
- 病院看護管理者を対象とした『多職種連携研修』の評価
- 特別養護老人ホーム施設長による人材マネジメントの方法に関する調査研究
- 特別養護老人ホーム生活相談員のアイデンティティ獲得におけるメカニズムについての一考察
- 重度心身障害者医療費助成制度を巡る当事者運動の展開
- 視覚障害者の「ブラインドメイク」の普及に関する実践的研究
- 介護現場における人材育成の組織的取り組みと「実践研究」の場の形成
- 男性(息子)介護者への支援のあり方に関する研究
- 親族間殺人の被害者遺族であり加害者家族でもある子どもの支援に関する探索的研究
- 相談支援専門員が用いるニーズ理解のための支援技術に関する研究
- 知的障害者入所施設における終末期ケアの実証的課題
- 障害者と健常者の「対等な関係性」を意識した働き合い方への一考察
- 精神障害者の父親のケア役割と家族支援のあり方に関する研究
- 障がい者相談支援実践におけるエンパワメントに関する研究
- 重症心身障害児・者の意思決定と意思決定支援に関する研究
- 知的障害者におけるミュージックベルを「なかま」と演奏する音楽活動の効果に関する研究
- 精神障害者が居場所を獲得するまでの過程とその方途についての一考察
- 介護老人保健施設で働く介護職と看護職の労働職場ストレス,職場風土,SOCと精神健康および利用者との関係良好度との関連性に関する研究
- 都道府県によるスクールソーシャルワーカー活用のためのプログラムの現状と課題
- 障害当事者組織によるサービス開発における方法と課題
- 福祉医療系専門学校における多職種間の連携教育に関する研究
- 地域包括ケアシステム構築における住民の支え合いに関する研究
- 災害時要援護者に対する行政の支援体制に関する研究
- 特別養護老人ホームでの看取りケアに関する研究
- 在宅重症心身障害者の親の将来への思いに関する研究
- 居宅ケアマネジャーの成長に資するスーパービジョンの内実
- 団塊世代男性の介護デマンドへの現場の対応
データで見る
日本福祉大学大学院 社会福祉学研究科 社会福祉学専攻(通信教育)
年代別 在籍者状況
20代60代までにわたる幅広い年齢層の方が意欲的に学んでいます。
【平均年齢41.7歳】
在住地別 在籍者状況
全国各地にお住まいの方が入学し、通信教育で学んでいます。スクーリングには全国から参加し、集中的に学びます。
職業別 在籍者状況
医療・福祉・教育分野を中心に、多方面で活躍している方々が研究に取り組んでいます。
修了率
修了率は80%以上。インターネットを活用した学習システムと20名以上の教員陣が、働きながら学ぶあなたを最後までサポートします。
※掲載のデータは2015年度現在のものです。
修了生の声
前進し続けるためのブレイクスルー
鳥巣 佳子 さん
本学博士課程在学中:大学教員
利用者ニーズと制度のずれに感じた矛盾を発信したいと初めて学会発表をしたときに、根拠のある実践と研究の必要性を質疑応答で助言くださった先生に学びたいと本学大学院への進学を決意しました。
大学院は、仕事と学業の両立を共に励まし合い実践を語り合える全国の仲間との出会いの場でもありました。先生方には実践に根ざした問題意識の大切さと同時に、ミクロな視点をメゾ・マクロな視点に広げて問題の本質を探究することの大切さを修士論文の執筆を通じて教えていただきました。
こころの火種
栗原 和義 さん
障害者支援施設:管理者
現場実践を通しての多くの学びは、かけがえのない蓄積です。ただ、実践を重ねれば重ねるほど、得られたものと同じくらい「何か忘れ物をしている」かのような不思議な感覚にとらわれ多様な価値観を求めて大学院という未知の学びに踏み入りました。
院の修了は新たな学びの一歩であり、「自身がすべきことを知るために学ぶ」ことを学んだ大学院での軌跡を心に刻み込んでいます。皆さんの思いや叫びをストレートに表現しましょう。それらを受け止め共感できる絆がここには集っているのですから。
「感覚と経験の視点」から「論理的視点」へ
安藤 良二 さん
特別養護老人ホーム:生活相談員
「福祉の仕事に携わって思うことは、「日本の高齢化は進んでいるのに福祉は遅れている」ということです。措置制度から介護保険制度に変わり、一見、高齢者福祉は良くなったように見えますが、システムと同じ位重要な人材についても、課題が山積しています。世間では人材確保の為の待遇改善を声高に訴えていますが、もう一つ無視できないのが人材の質の問題です。
仕事と勉強の両立は不安でしたが、教員の皆様の丁寧な指導と家族の支えで修了することができました。
複眼的な視点から福祉を考える場
工藤 一恵 さん
本学研究生:保健師
私は、これまで、行政機関で精神障害者の相談支援並びに施策立案に携わってきました。その際、絶えず心掛けてきたことは、「精神障害者のニーズを尊重した支援」でした。一方で、ニーズに即した支援ができているのか、自問自答すると共に、自身の解決すべき課題になっていました。
大学院は、日々の疑問を幅広い視点で解決できる場であると思います。新たな一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。