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過年度担当教員の声

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新たな方式の活動報告会から
見えてきた成果と課題

社会福祉学部
村上 徹也先生

 今年度のサービスラーニングでは、学生同士で報告し合うクラス合同学内報告会と、活動先の方々を招いて行うクラス単位の活動報告会を分けて行った。昨年度までは、大教室にサービスラーニングクラスの全学生が集まり、20余りの全ての活動先グループが順番に報告していたが、今回初めて方式を変更した。これまでの方式だと1つのグループの発表時間が短く、「自分たちが受け入れた学生たちの報告をじっくりと聞く時間が欲しい」という活動先の方々のご意見を毎年いただいてきた。今回の方式では、プログラム全体の時間は同じでも、1クラス7つの活動先グループに時間を割り振るので、昨年までより長い時間が確保できて、発表に対する質疑や意見交換にも深みが増したと思う。ご参加いただいた活動先の方々からのアンケートの回答でも、好評をいただくことができた。
 学生たちも時間に余裕がもてたこともあって、活動先の方々に向けて立派にまとめの報告をしてくれた。活動中にはお叱りや厳しい指摘をいただいて、ご苦労をおかけしていたが、そのおかげで高めることができた市民としての自覚や社会課題への理解、そしてなにより福祉の目線で人と出会いふれあう大切さについての気づきが伝わり、成長を喜んでいただけたようだった。活動先の方々の側も、自分たちの取り組みの意義の再確認、学生がもつ疑問や悩みから見過ごしていた現場の課題の発見、そして学生たちから新たな活力を得ていただいたとのことだった。なかには、グループホームでのレクリエーションの自主企画の中で披露してとても喜ばれた出身地の闘牛歌「ワイド節」をリクエストされて、鹿児島県徳之島出身の学生が報告会でも熱唱する場面もあり、和やかな雰囲気になったことも今回の方式ならではといえる。
 学生たちの報告を聞いた活動先の方々からは、自分たちの取り組みの意義の再確認、学生がもつ疑問や悩みから見過ごしていた現場の課題の発見、そして学生たちから新たな活力を得たなどの感想もいただいた。学生たちの受け入れでは多くのご苦労をいただいているにもかかわらず、活動先にも得るものがあると考えていただけたことは、貢献と学びの相乗効果を目指すサービスラーニングを担当している教員としてとても有り難いことだ。
 同時に、教員の側も、学生たちや活動先の方々から、地域福祉の現場の状況や課題などについて、より深く理解する機会をいただいているという恩恵を受けている。さらに、教室だけでは得られない学生たちの学びの成果が得られることも、サービスラーニングを通して教員が得る恩恵である。これらの恩恵をサービスラーニングにかかわる教職員のみに止めず、大学全体に浸透させていくことが今後の課題だと、今年度の報告会で強く感じた。
 活動先の方々の懐深い学生へのご対応に感謝を申し上げたい。そして、学生たちの試行錯誤を通した成長を喜びとして、引き続き教員の側も努力を重ねたい。

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