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過年度担当教員の声

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サービスラーニング
2013年を終えて

社会福祉学部
松下 典子先生

 毎年同じように始まる新学期、新しい学生たちの出会いにNPOの現場で何を感じ何を学んでほしいか?私自身も振り返る。もちろん地域福祉としてまた、NPOのミッションとして変わるものではないが、その年その年伝える情報や学ぶ視点の広がりと共に少しずつ違う。受け入れ団体もそれなりに人も事業も変化している。社会全体が目まぐるしく動いていることとこのゼミの学びは一体にあると感じている。特に10年後20年後の経験のない超高齢社会を想定し、今何を自らのチカラにしていくことが学生たちに大切であるか、先を見て社会の現状に対応できる「ものの見方、考え方」の基礎を地域の実態から学んでほしいと思っている。また、現場で感じた想い、疑問、矛盾を自分の目で、耳で、心に受けた想い、情報を大切に自分の言葉で表現することを大切にしてきた。暮らし方,働き方、さらに地域という空間が、地域生活の課題となりまた解決につながっていくことを両輪で視て、福祉だけでは解決できない多様な視点と社会的構造の問題として幅広い学びをしてほしいと考えている。
 7つのNPOの現場はそれぞれ得意とする分野を中心に在宅支援、居場所、生きがいなどの活動を行っているが、学生たちは、それぞれの現場に入ってこれからの地域に必要な課題解決の実態を学んできた。地域と福祉、暮らしと福祉、働く環境と福祉など多様なつながりにある新しい福祉観ももった。そして自らの学びにした。まさに現場で学ぶ地域福祉、感じて学び行動する学びのスタートラインに立ったことと思う。
 グループの話し合いから「調べをまとめる、企画する、考える」の時間はグループの話し合いになるまでにはいつも時間を要している。が、振り返りを繰り返す年間のプロセスで”考える”を自ら体得したことと思う。限られた時間で戸惑いや不安、失敗もあったが「活動を楽しくできた」という声にそれぞれが満足感も得てきている。学生たちにとっても終わってみないとわからない企画のプロセス、6日間のプロセス、さらに1日の活動、事前準備等、重層的な様々なプロセスを振り返りまとめる時間は一人ひとりにとって確実な力となり、これからあらゆる学びに活かされるはずである。NPOの現場にいる一人としてとても頼もしく、また未来に明るいものを感じる。
 国全体が大きな転換期にあって、無いものを創りだす、仕組にするなど、課題解決に創意工夫の意欲を持った学びになった。また、生活者のニーズや課題に向き合うNPOの支援活動の理解は、自然体で当たり前に寄り添うコミュニケーション力の芽になっている。それだけにこのサービスラーニングの学生達の活動はNPOにも新鮮であり、ミッションを丁寧に伝えていく場と改めて確認した。ボランティア本来の自発性、社会性、開拓性という大事な主体的意思が学びと実践で根付いていくためにも、大学との協働関係で新しい時代の地域福祉と地域づくりにつながる人の育ちあう循環になっていくことを願っている。

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