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世界は
ネットじゃ味わえない

社会福祉学部
山崎 紀恵子先生

 【人生はニャンとかなる!】私は、この一年、この不思議な題名の猫の写真と偉人の言葉が詰まった本をゼミで使った。本は何でもよかった。ただ、ちょっと面白い猫の写真と、添えられている偉人の言葉を借りて、その日、一番言いたいことを伝えるという授業のスタイルに自分が一番励まされた。紹介するページは、その日に取り組む課題で決めた。例えば、夏の体験学習に送り出す最後の授業では「背伸びしなきゃ見えない景色がある」「時間を守る人は信頼される」。また、研究テーマに悩んでいた時期には「ひらめきは考え続けるものだけにやってくる」といった感じで・・・。その他にも、「たくさんの耳を持とう」「肩の力を抜こう」「苦手を克服する快感」「自分を客観的に見よう」「!はどこにでもある」「一番飛ばしなんて出来ない」「辛いときは試されているとき」「第一印象が勝負」「一度サボるとクセになる」「技を盗め」「謝るときは心から」・・・私は、猫の力を借りて、みんなに様々なエールを送った。
 昨年も感じたことだが、グループ活動に苦手意識を持っている学生の多いことが、私としては意外だった。でも、せっかく福祉を学んでいるのだから、恐れず、積極的にコミュニケーションを図って欲しい。そんな時も猫の言葉を借りた。「摩擦を恐れない」「自分のキャラを壊そう」「誰とでもいい関係は築ける」「すべての色に役割がある」
 最後のレポートで何人もの学生が、グループ活動が成長のきっかけになったと書いている。『新たに出会う人たちと接する機会に多く恵まれ、今までよりもずっと、他人と接する方法を学べたのではないかと思う』『班行動が自然に出来ていることに気がついた。班行動することが私自身の成長に必要であったのだと感じた』・・・レポートより抜粋。
 夏の体験学習後の変化や、研究発表時の堂々とした姿に感動していた私であったが、学生自身が内なる成長に気がついていたことが何より嬉しい。みんなの苦労や努力を傍で見て来た私としては、この内なる気づきが、サービスラーニングの最大の魅力ではないかとひそかに感じている。
 ここからは、学生さんを受け入れるNPO法人絆の立場で意見を述べたい。サービスラーニングという授業がこんなにも充実できるのは、単に知多半島にNPOが多いというだけではないと思っている。そのNPOの仲間たちが、未来を担う学生さんを育てたいと心から思っているのだ。そして、いつか地元に帰った時に、それぞれの地域を大事にして欲しいと願っている。夏休みの活動が3年生の実習と違うと言われるように、初めて体験する地域の入り口なのかもしれない。そう思うと、受け入れる私たちにも果たす役目がある。例えば、学生さんに団体のミッションやビジョンを聞かれた時には、誰であっても答えられるようにしたい。サービスラーニングは、実に実践的なスタッフ教育の機会でもある。
 昨今、どの学生さんも、インターネットを素晴らしく使いこなす。でも、「地域はネットじゃ味わえない」ことを、NPOの皆さんのお力をお借りしながら、愛情を持って伝えていきたいと思っています。一年間、本当にありがとうございました。

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