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“あったらいいなをホントにする大人”との
出会いがもたらすもの

社会福祉学部
岡本 一美先生

 もう15年以上も前のこと、私が初めて地域福祉サポートちたの会員団体を訪れた時のことは、忘れられません。NPO法人りんりん(半田市)の前の拠点、2階建ての民家で、ピンクのエプロンかけた村上前理事長が「あったらいいなを創ってきたの」とおっしゃった。NPOも福祉もわからない私でしたが、大きな感動に見舞われ、「ああ、ここなら誰もが自分の力を信じてトライすることができる。人が育ちあっていくに違いない」と感じました。
 共育の磁力を感じたのは、正しかった。昨年から、サービスラーニングという授業を担当させていただいて、改めてちた地域のNPOのみなさんの教育力に感激しています。
 それは、NPO法人あかりやはっぴいわん大府の居場所づくりの実践が、ともすると「やってあげる人」「やってもらう人」を作りがちな「従来の福祉」を超えて、病んでも高齢になっても障害があっても、「できるコトは自分で」と、人としての尊厳を損なわない「支え合うくらしの関係性」を築いているからでしょうか。「孤独」では、これは成り立ちません。
 新しく受入をお願いしたNPO法人ほがらか企画(武豊町)でも、学生たちは法人理念の「子ども主体」を叩き込まれてきました。「どうしたいかを子どもに聞きなさい」と。これは、教育の主体は教育者でなく生徒であることに似ています。そのチカラを引き出すことが「当事者主体」の福祉であり、「自立支援」と言われるゆえんであろうと思います。NPO法人toピアの「はたらく」もそう。誰だって「何かの、誰かの役に立ちたい」。そんな場や機会を創っているのが、NPOなのです。“あったらいいなをホントにする大人”との出会いが、私たちに勇気を与えてくれます。いろいろな困難を「仕方がない」「なんともならない」とあきらめていた私たちに、「ダメもとで、やってみたら?」と背中を押してくれるのです。
 サポートちたで15団体を調査した学生たちが耳にしたNPOの課題は、「ヒトとカネ」。これは日本の人口・経済構造によるものも大きく、地域で何とかするのも大変なことですが、はんだまちづくりひろばでは、若者に広報するためのツールとして、学生発案の「すごろくゲーム」を開発中。活動が継続していると聞いています。
 チームメンバーやNPOの方々の支えに気づいた人、言い合いになってお互い気まずい思いをしながらも活動を貫徹し達成感を得た人、活動も研究も一人でなくチームで行ってきた成果は、協力し合った時間に比例して出ています。「できる、できないでなく、やるか、やらないか」ですね。NPOの世界に触れてみて、みんな元気が出たのではないかな。とにかくやってみたらいいと。「失敗」なんて言わない。やってみたらこうなった、と言えばいい。そして次へチャレンジすればいい。
 「あったらいいな」という、私たちの理想の地域づくりをかなえる人に、自分自身がなっていく。そんなことを、NPOの先輩たちが私たちに語り掛けてくれるのが、サービスラーニングという教育プログラムなのかもしれません。

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