学長メッセージ
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情報社会科学部
学部長

岡川 暁

 福祉機器アイデアコンテストは今回で2回目となります。このコンテストは、柔軟な発想に富む高校生の皆さんに、福祉機器・福祉用具、ユニバーサルデザイン、ハンディキャップに配慮したサービス、他を考える機会を提供し、福祉機器に対する関心を高めていただくことを主たる目的としております。
  今年度も昨年同様、特定課題、および自由課題の2領域を設定し、アイデアを募集いたしました。特定課題は、「ユニバーサルファッション 〜年をとっても障害があっても美しく〜」とし、着やすい衣服・履きやすい靴・便利なバッグ、手や目が不自由でもつけられる安全できれいなアクセサリー、目や手が不自由でもお化粧できる道具、他に関する作品を受け付けました。自由課題は、「高齢者、障害者、妊婦、幼児など、誰もが快適に暮らせるための“もの”や“サービス”の工夫」とし、アイデア作品を募集しました。
  多くの皆さんからの応募があり、具体的には、特定課題に対して80件、自由課題に対して350件、合計430件の力作が送られてきました。予備審査を通過した特定課題22件および自由課題86件を本審査委員会で審査し、各課題に対し、最優秀賞1件、優秀賞2件、計6件を決定いたしました。この6件は、「着眼点」・「独創性」・「アイデアの実現可能性」に特に秀でたものでありました。
  今後もこのアイデアコンテストを継続し、若い人たちがアイデアを公表する機会を提供していきたいと考えております。今年応募していただいた皆さんをはじめ、一層多くの皆さんが参加したくなるような課題を準備しますので、来年もまた、どうぞ腕を振るってご応募下さい。皆さんのアイデアを、我々も楽しみに待っています。
  今年応募していただいた高校生の皆さん、ご指導にあたられた先生方に対し、心よりお礼を申し上げます。


 
メッセージ

 昨年度と今年度、2回の高校生福祉機器アイデアコンテストに立ち会うことができて、
とても楽しかったです。入賞作品をはじめ多くの作品から、障害のある人が望んでおら
れることに思いを馳せる気持ちが伝わってきましたし、若い人たちの望みや新鮮な工夫
から、私も学ぶことができました。応募された高校生の皆さん、指導にあたられた先生方
に、感謝申し上げます。
  私はこのコンテストを介して、自分の生活を大事にすること、自分とは違う人たちの
生活を想像すること、そしていろんな人が豊かな生活ができるように工夫することを、
学んでいただきたいと思っておりました。多くの作品は、期待どおり、人間を愛おしむ気
持ちと新しい工夫に挑戦する気概が感じられるものでした。
  もちろん、皆さんはまだ人と出会う経験も少なく、機器・用具の知識も少なく、アイデ
アを表現する経験も少ないと思います。ですから、面白いアイデアでも、使う場面を想像
すると「???」というものもありました。これから先、多くの出会いと経験と学問を積
み重ねられることによって、障害のある人たちへの「気付き」も「アイデア」も、熟成させ
ることを覚えて下さい。皆さんの成長を楽しみにしております。

福祉機器アイデアコンテスト実施プロジェクト責任者
  水野 暁子
(日本福祉大学情報社会科学部人間福祉情報学科 教授)