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「海を渡る蝶」アサギマダラ

タテハチョウ科マダラチョウ亜科に属し、羽を広げると10センチ程の大きさ。ステンドグラスのようなマダラ模様の美しい薄い羽を持つ蝶。

1)マーキングはアサギマダラの羽に捕獲日、イニシャル及び内海フォレストパークの場所を表す「UTS」を油性のサインペンで書き込み、性別の確認とサイズ、羽の状態を計測して再び放します。

アサギマダラ

2) これまでの最長記録は大阪府の生駒山から八重山諸島与那国島までの1,680kmを17日間で飛んだものです。

アサギマダラがとんだ距離

●1000km以上も移動する蝶
 アサギマダラは、春から夏にかけて、本州の標高1,000〜2,000mの涼しい高原地域を繁殖地とし、秋、気温の低下とともに九州や沖縄、八重山諸島まで飛んでいきます。また、冬には暖かい地域で生まれた新しく世代の蝶が春から初夏にかけて南から北上し、本州の高原地域に移動します。この移動距離が1,000km以上のものもいます。

●なぜ内海フォレストパークに集合するのでしょうか?
 内海フォレストパークは、秋の南方へのアサギマダラの大移動の重要な中継点であるらしいことが5年間のマーキング調査で明らかとなってきました。これは昼の暑さを避け、夜のねぐらを提供する照葉樹の森があり、その林の周辺に彼らが好む蜜植物の花が咲き、海からの風が吹き上がって上昇気流を利用して海上へ飛び出しやすいためではないかと推察されています。

●神秘の蝶との出会い
 内海フォレストパークでも1996年からマーキング調査が行なわれており、成果を上げています。

フォレストパークでマーキングした個体

年度
マーキング数
1996
309
1997
867
1998
693
1999
1,234
2000
1,345

アサギマダラが好んで蜜を吸う花はツワブキ、アザミ、ヒヨドリバナ、キバナコスモス、アメリカセンダングサです。アサギマダラが内海フォレストパークに集合する9月中旬から11月中旬頃、これらの花のところに行くと、神秘の蝶「アサギマダラ」が夢中になって蜜を吸っているかもしれません。

<データ>
内海フォレストパーク:残念ながら現在閉園いたしました。

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