大学に入って見つけた「ゆめ」は子どもたちの笑顔を守ること。日本福祉大学 教育・心理学部心理学科で学ぶ佐々木千恵さん(3年)にお話を伺いました。

兄の勧めと漠然とした関心で選んだ進路

 高校3年生になっても進路が定まらず焦っていた時に、日本福祉大学出身の兄が「とにかく、いい大学だから」と背中を押してくれたことと、人の感情や心理に興味があったこと、これだけの理由で進路を決めました。確固たる目標や憧れがあったわけではなく、というのが実情でした。
 実家から遠く離れた愛知県での一人暮らしは、不安いっぱいでのスタートでしたが、励まし助けあえる友達と出会うことができ大学生活には徐々に馴染むことができました。

友人と学食でのランチタイム
空き時間、サークル部室でギターの練習

何歳になっても発達する人間

 1年生の時に「発達心理学」で教わった「人間は大人になってもずっと発達する」という言葉が印象に残っています。子どもの頃だけではなく、年を重ねてからもずっと発達していく人間の可能性に希望を感じました。
 だからこそ、目の前の相手の気持ちや背景に寄り添って、その人が、問題や悲しみや苦しみを乗り越えていくにはどうしたらよいかという視点を持つようになったのかもしれません。

大講義室で予習
心理学に関する書籍

学び・アルバイト・サークルを通して気づいた私の「ゆめ」

 「人の心に寄り添うことを心理学の学びを通して身につけたい。」という方向性は定まったものの、将来の夢や目標が見つからないままでした。が、キャンパスライフはどんどん充実していきました。
 初めての自炊で、料理の楽しさに目覚めましたし、自分のお部屋を整えて暮らすことはとても楽しいです。
 また、所属しているラテン音楽同好会では、ライブでギター&ボーカルを披露するなど、楽しい経験も。と同時にサークルの副代表を任されるようになり、運営の苦労も味わっていますが、これもよい経験です。

洗い物以外の家事は楽しい!笑
ラテン音楽同窓会のライブ

 そして、1年生の11月から始めた放課後等デイサービスと2年生の12月から始めた児童養護施設でのアルバイトが、私の目標を見つけるきっかけをくれました。育ってきた背景も個性も違う子どもたちを前にし、一人ひとりに合った対応を試行錯誤している時に充実感を感じることに気づきました。そしてある時、子どもたちから「大好きだよ!」と輝くような笑顔で言われ、とてもとても感動しました。心をひらいて丁寧に寄り添うと、子どもたちはまっすぐ愛情を表現してくれます。

 この感動をきっかけに、将来は子どもの笑顔を守れるように生活面からサポートする仕事に就きたいと考えるようになりました。そして、心理学部での学びに後押しされ、児童福祉施設の児童指導員になるという具体的な目標をもつことが出来ました。

先は見通せなくても目の前を見て進む一歩が道をひらく

 私は高校生の時も、大学に入ってからも、ハッキリとした目標をもっていたわけではありません。ただ、信頼できる人からのアドバイスを聞き、自分の中にあるささやかな思いにも耳をかたむけて、目の前のことに向き合うことを心がけてきました。
 そのようにして、大学が決まり、学部での学びが始まり、サークルや一人暮らしで充実感を味わい、アルバイトで感動的な経験をして…将来の「ゆめ」を見つけ今に至ります。今はハッキリとした目標がなくても、先々の不安に焦点をあてずに目の前のことひとつずつに小さなチャレンジを重ねていけば、必要な学びや機会といったご縁に助けてもらえるものだと思います。

 兄が言った「いい大学」という漠然とした表現を繰り返すことになりますが、「いい大学」で「いい出会い」に恵まれて、充実した学びの日々を送っている私からは、高校生の皆さんに、「ひとつひとつチャレンジしてみてください。ちゃんと道はひらけるから。」と伝えたいです。

日本福祉大学 教育・心理学部 心理学科

佐々木 千恵さん

CHIE SASAKI

  • ラテン音楽同窓会
  • 島根県/大社高等学校出身

<取材:岡山オフィス>