保健師のお母様の影響で、医療・リハビリ系に興味があったという桒高さん。高校時代にバスケットボール部の練習で指を骨折した時に作業療法士の方のお世話になったことで、「作業」を用いたリハビリという点に心惹かれ、作業療法士を目指すようになったそうです。

Q.日本福祉大学を選んだ理由は?

 静岡県内も含め複数の大学のオープンキャンパスに参加しましたが、日本福祉大学は学部専用の実習棟があり機器が充実していることに感動しました。設備面だけでなく、地域的にも勉強に打ち込める環境だと思ったこと、今までの自分を変えるためにも新しい環境で一人暮らしをしたいと思っていたことから日本福祉大学に決めました。

Q.大学での学びは?

 理学療法が「歩く」「座る」といった生活の基本となる動作の回復が中心であることに対して、作業療法は精神面や自己管理も含め生活の全体像を見渡して「その人が生活する上で必要な作業(生活動作)」を獲得していくことだと思います。以前は手芸や工作など「何かを作る」作業を通してリハビリをすると思っていましたが、大学での学びを通して、その人にとって本当に必要な生活動作は何か、その動作を獲得するためにはどういった訓練をすればよいかを段階的に考えることが大事であり、作業療法=何かを作るだけではないと感じています。
 一人ひとりに合った訓練を考えるためには体の構造をしっかり理解しないといけないと思い、特に筋肉の構造や作用について意欲的に勉強しました。テストのための勉強では身につかないので、趣味の筋トレも兼ねて、どの動きがどの筋肉に効果があるか実践しながら覚えました。その結果、筋肉が身に付き過ぎて、入学時に採寸して作った実習着が半年後にはサイズが合わなくなってしまいました。
 勉強や実習は大変ですが、理学療法学専攻に高校時代からの親友がいるので、「友達も頑張っているから自分も頑張ろう」とモチベーションを維持しています。

Q.⽇本福祉⼤学に進学してよかったことは?

 愛知県以外から進学している学生が多いので、視野が広がったと思います。生活の仕方や環境が違う様々な地域の人たちと関われたことは、就職してからも患者さんと関係を築く際に役立つのではないかと思います。
 また、理学療法学専攻や介護学専攻、建築バリアフリー専修の友達から、それぞれ違う立場からの視点を聞くことができるのも面白いです。

Q.一人暮らしはどうですか?

 楽しいです!慣れるまでは洗濯物を干し忘れてしまうなど失敗もありましたが、今は自分の生活リズムができ、優先度をつけて計画的に生活できるようになりました。今では実家に帰省すると、自分が何もしなくても洗濯物が干されていることが不思議で、かえって落ち着きません。
 また、筋トレのために1日に摂取するタンパク質や脂質を計算したり、カロリーを制限したりしているので、食事はほぼ自炊しています。一人暮らしを希望した理由の一つである自己管理もできるようになったのではないかと思います。

バスケットボールは学内サークルの他にクラブチームにも⼊って
⼤会に出場するなど、楽しく活動しています。
バスケットボールの練習に⾏くことが勉強のモチベーションにもなっています。

Q.今後の目標は?

 実習で様々な領域の病院に行きましたが、リスク管理や初期症状の理解といったところもきちんとできるようになりたいので、急性期病院で働きたいと考えています。また、自分のケガや病気の受容ができていない患者さんの精神面や高次脳機能への介入は作業療法士ならではだと思いますので、精神面も考慮した介入ができる作業療法士になりたいと思っています。
 そのためにも4年次に控えている6週間の臨床実習や卒業研究、就職活動、国家試験といった学生生活の集大成にしっかり取り組んでいきたいと思います。

 どんな質問にも自分の考えをしっかり答えてくれる桒高さん。コミュニケーション能力の高さとともに目的意識の高さ、何をすればいいか考え実行できる自己管理能力の高さが伝わってきました。
 残り少ない学生生活を悔いのないよう勉学に励むとともに、楽しく充実したものにしてくださいね!

健康科学部 リハビリテーション学科 作業療法学専攻 3年

桒高 建輝さん

TATSUKI KUWATAKA

  • 静岡県/掛川東高等学校出身

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〈取材:豊橋オフィス〉