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現在、大阪市内にある人材紹介事業を行う企業で活躍している倉石さん。長野県から日本福祉大学へ進学し、社会福祉学部で社会福祉士と保育士のダブルライセンスを取得。新卒で人材紹介の企業へ就職し、入社1年で当時100名以上いた同期の中で全国1位の成績を収めました。その後、福祉現場での経験を経て再び人材紹介の業界へ。これまでの軌跡を振り返っていただき、大学時代の学びや経験、仕事に対する想いなどについてお話を伺いました。
全国から集まる福祉の大学
―なぜ日本福祉大学へ進学しようと思ったのですか?
もともと子どもが好きという理由で保育士を目指していました。高校の職業探求の授業で、子ども分野には保育園だけではなく、児童養護施設という職場もあるということを知りました。児童養護施設で働く児童指導員についての関心もあり、保育士と社会福祉士が取得できる日本福祉大学へ進学を決めました。他にも魅力的な大学はありましたが、大学が主催する長野県発のオープンキャンパスバスツアーに参加したことが決め手になりましたね。全国から福祉を学びたいという人が集まっていることと、各分野に専門の先生がいる環境にとても惹かれました。バスツアーで出会った友達とは今でも連絡を取り合っています。
ダンスサークルでの経験
―学生時代、自分が成長したと感じた経験はありますか。
私の場合はサークル活動の経験が大きかったです。「N.I.Pcrowd」というダンスサークルで幹部となり、運営についてメンバーと毎日のように話し合っていました。つらいと感じることもありましたが、約50人の部員をまとめる中で、コミュニケーション能力や責任感を培う経験になったと感じています。もちろん、講義や実習、一人暮らしも自分自身を大きく成長させてくれた学び多き経験でした。ちなみに、講義は一人で真面目に受けているタイプでしたね(笑)
福祉業界を盛り上げたい
―人材紹介の業界で働くことに決めたキッカケを教えてください。
最初は児童養護施設への就職を考えていました。その頃、介護虐待のニュースが目に付き、なぜこのような問題が頻繁に起こるのだろうと考えるようになりました。自分なりに調べていく中で、人材不足という課題が職場環境に与える影響も少なくないのでは…と感じ、どのようにしたら改善できるのかを考えました。現場で直接的な支援を行うことも大切ですが、働く人の環境を改善するという間接的な支援も大切ではないかと考えるようになりました。
大学卒業後、名古屋にある人材紹介事業を行う会社に就職しました。営業として働く中で、福祉現場での仕事にも関心を持つようになり、就労移行支援※を行う法人に転職をしました。現場経験を積みながらも、もう一度人材紹介業を通じて福祉業界を盛り上げたいと感じるようになり現在に至っています。
※一般就労を希望する障害を持った方を対象に必要な訓練等を行う障害者総合支援法に定められた障害福祉サービスのひとつ。
人材紹介という仕事は、法人と求職者とのベストマッチングを支援することです。お互いが『採用して良かった』『就職して良かった』と思えるようにするためには、それぞれのニーズをしっかりと把握する必要があります。人材を紹介して対価を得る仕事ではありますが、法人が大切にしている想いや抱えている課題を共有し、人材不足という社会問題の解決に貢献する仕事でもあります。私は保育の領域を主に担当しているため、それぞれの施設の実情にあった人材を紹介できるように努めています。働く人たちの幸せにつなげることはもちろん、その先には施設を利用する“子どもたちの幸せ”につなげることが私の仕事だと思っています。
スポンジのように吸収
―仕事をする上で意識していることはありますか?
仕事の方法や考え方を様々な人に聞き、トライ&エラーを繰り返していくことで自分の引き出しを増やしていくことを意識しています。新卒の頃は分からないことが当たり前だと思っていました。もちろん分からないから何もしないということではありません。私の場合は分からないことを武器に、とにかく失敗を恐れずにアクションを起こし続けました。その結果、周りの方々の支えもあり、入社1年で100名以上いる同期の中で営業成績1位になることができました。
「え?」と思われるかもしれませんが、そんな自分をスポンジのように思っています(笑)最初は固くて使いづらいスポンジでも、水を吸って使い続けるうちにどんどん柔らかくなり、たくさんの水を吸収することができますよね。もっといい表現があるかもしれませんが、使い古されたスポンジになることを目指して日々頑張っています!!それと、気分転換をするようにも心がけています。実家のある長野に帰ったときは自然豊かな雰囲気に癒されています。
常に考える習慣を
―後輩へのメッセージをいただけますか。
私のこれまでを振り返ると、“常に考えながら行動”してきたことが自分自身の成長につながっていると感じています。例えば、なんで私は子どもが好きなんだろう、なんでこの大学に惹かれるんだろう、なんで今この活動をしているんだろうなど、考える習慣を身につけることで自分自身や他者の理解、社会へ目を向けることにつながるのではないかと思います。働くフィールドは違うかもしれませんが、これからの福祉業界をともに盛り上げていけたらと思います。
<取材:大阪オフィス>