岡山県新見市で消防士として勤務されている宮原達也さん。強豪ソフトボール部で主将・学生コーチを歴任し大活躍だった大学時代のことや、消防士のお仕事のことについてお話をお伺いしました。

① 人の役にたてる自分になるための福祉の学び

“人の役にたちたい”という漠然とした思いから、“福祉を学べる”大学へ進学したいと考えていた宮原さん。高校の先生に勧められたことと、ソフトボール部があることが後押しとなり、日本福祉大学を選んだとのこと。

大学では社会福祉学部での福祉の学びと、ソフトボール部での活躍を見事に両立されました。

② 豊かな大学生活~学びと部活の両立

ソフトボール部では、プレイヤーとして活躍し、主将をしていた3年生の時には、全国大会となるインカレ出場・ベスト8に入るという快進撃に大きく貢献。更に4年生になってからは、選手兼学生コーチとしてチームの意識改革・チームの育成という役割を担われました。 そのような活躍と並行して、社会福祉学部では多角的に福祉を学び、更に社会福祉士の国家資格も取得されています。

 部活と学びの見事な両立の秘訣は何だったのか?お尋ねしたところ、「そんな大変なことではなかった。」と軽やかな笑顔での返答。
一カ月に及ぶ施設実習(社会福祉士国家資格取得に必須)は、宮原さんによると、「一カ月“しか”なく大変だと感じる暇もなく終了、むしろ楽しかった」とのこと。
部活についても、インカレ出場の強豪チームで、主将や学生コーチを歴任し、さぞ重圧が大きかったのではないかと尋ねてみましたが、「周囲のことを考えられるメンバーばかりでチームの雰囲気がよく、楽しく打ち込めた」と、さわやかに語ってくれました。

ソフトボール部での活躍
最前列中央が選手兼コーチ時代の宮原さん

「キャンパスの近くの海岸を友達と一緒に歩くのが好きで……風が気持ちよくて…」と話される様子からも、とても豊かな学生時代だったことが伝わってきました。

部活と学びの両立の秘訣は、一つ一つのものごとに打ち込む姿勢と前向きなまなざしにあるのかもしれないと思いました。

大学時代、ゼミメンバーと横浜旅行
卒業旅行でハワイへ

③ 「人の役にたつ」を叶えて地元の消防士に

 消防士は、3人ないし5人で隊を組み、その中で決められた個々の役割にそって仕事をするのだそう。まさにチーム戦です。
「前へ前へ出るのではなく自分の役割をしっかり全うした上で周囲のサポートにまわる、こうしてチームワークが発揮され、様々な現場に対応ができる」とのこと。まさにソフトボール部で培ったチームワークを大切にする姿勢が活かされています。

 災害や事故など緊迫した現場で、目の前の人を救うために尽力することは、肉体的にも精神的にも強さを求められる大変なお仕事。救助した方のご家族が、消防署を訪れ直接お礼を言われるようなこともあるそうで、厳しいお仕事ならではの大きなやりがいを感じることも多いそうです。

署内での救助訓練の様子
消防救助技術大会に参加

④ ふくし×消防士

 日本福祉大学がめざす「ふくし」とは「ふつうの・くらしの・しあわせ」。
宮原さんは、日頃から、救急講習や防災訓練など、「ふつうのくらしのしあわせ」を守るための備えに貢献されています。
災害が発生すると、「ふつうのくらしのしあわせ」は一瞬で壊されかねません。最前線で災害から人々とその暮らしを守る救助・救援に加え、現場で動揺し混乱している方々に安心感をあたえられるような対応も求められるとのこと。
消防士のお仕事は、まさに「ふくし」の根幹を支えるものだと再認識させられました。

⑤ 打ち込める何か一つを見つけてほしい

 ソフトボール部で培った体力・忍耐力・リーダーシップと、大学での福祉の学びをフルに活かし、消防士として活動されている宮原さん、本当にかっこいいです! 宮原さんの“人の役にたつ仕事”をしたいという気持ちが、こうして消防士としての活躍に結びついていることを、とても嬉しく誇りに思います。
そんな宮原さんは、高校生や大学後輩の皆さんに「大学の4年間はとても貴重で自由な時間、一つでもいいので何か打ち込めることを見つけてほしい」とメッセージをくれました。
明確な目的がなくても、何か一つからやってみてください。宮原さんのストーリーは、漠然とした思いも、様々な経験とより合わさって大きな実を結ぶことを教えてくれています。

新見市消防本部 消防士

宮原 達也さん

TATSUYA MIYAHARA

  • 日本福祉大学 社会福祉学部 社会福祉学科 2017年卒業
  • 岡山県/新見高等学校出身

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<取材:岡山オフィス>