現在、保育士と社会福祉士のダブルライセンスをもって活躍する中川さんですが、子どもに関わる支援がしたいという入学当初の志望から、実習や就活を通して高齢福祉や障害福祉などに興味が広がり、本当に自分のやりたいことを見つけることができたそうです。

日日にちにちこれ勉強なり

 身体や知的・精神障害、難病など子どもから大人まで幅広い対象者の相談員を担当しています。
 子どもと大人では紹介する施設が異なったり、制度自体も頻繁に改正されるので、担当する方がより暮らしやすい生活を送るためには、どのような知識を身に付ければよいのか日々勉強しながら進めています。

 実践現場で求められることはとても多いのですが、在学中にいろいろな施設見学や実習に行けたことで、現場の職員さんとの関わり方や動き方など『現場を知る機会が多かった』ことは本当に良かったです。

 最近やりがいを感じたことは、担当した(自閉症の)方から、スマホの手続きをするために一緒にショップへ行くことを頼まれたのですが、ややこしい手続きに二人で何度も奔走する羽目に。でも、最終的に何とかメールが使用できる状態になった時、一番最初に私へお礼メールをくださったことが何より嬉しかったですね(笑)

職場での様子
就労継続支援事業での生活支援員

子どもたちの助けになりたい

 本格的に福祉を学べる大学に行きたいと考えたのは、進路を決める時期にテレビで放送されていた児童養護施設の特集がきっかけです。同じ日本に居ながら、こんなにも生い立ちの異なる子どもたちがいるなんて・・・と、今まで自分が恵まれていたことに改めて気づかされたと同時に、児童養護施設で過ごす子どもたちの支援がしたいと思うようになりました。

 そこで、必要な資格がとれる大学を探し、国家資格である『社会福祉士』の合格者数が大変多いことに加え、福祉業界で有名な先生も多い日本福祉大学で自分の視野を広げたいと思い、“にっぷく”に進学することを決意しました。

国試に向けて先生からゼミ生へ送られた写真
保育所実習で子どもに貰った絵

自分の道を探して

 私が受講していた講義はどれも理論的・実践的で面白い内容ばかりでした。そんな中、自身の知見が拡がることによって、児童福祉だけの道に進むべきかどうかという迷いが生じていました。そんな時に実習で関わった方の『地域の方のちょっとした困りごとにも寄り添って考えていく』という熱意に動かされ、地域でマルチに活躍できる人になりたいと思うようになりました。

 また、就活中に自身のこだわりを見つめ直したことで、自分が本当にやりたいことは『地域の人や現場の人とより近くかかわれる仕事』だという自分の軸に気づくことができ、障がいや児童など広い分野で展開していた当法人であれば、自分の道を歩んでいけそうだと思ったのが一番の決め手です。

失敗も良い思い出

 入学後に大家さんが新入生歓迎会を開いてくれたので、すぐに他の学生と打ち解けることができました。そのお陰で、履修登録の仕方など、一人で分からないことも悩まずに済みました。また、“にっぷく”の先輩後輩が働くうどん屋さんで4年間アルバイトをしていたので、授業のことなど、いろいろなことを聞けたのも良かったです。

 引っ越してすぐに節電しようと電子レンジの電気コードを抜いて学校へ行ったのですが、間違えて冷蔵庫の電気コードを抜いてしまっていたらしく、帰宅すると冷凍食品が溶けていて、床がびしょびしょになっていたことがありました。もちろん!溶けてしまった冷凍食品は全部食べ切ろうと頑張って料理しました(笑)

ゼミ初合宿で日間賀島へ
アルバイト先の「灯台うどんにて」

後輩へのメッセージ

 ある程度の方向性は決めておいて、そこからの興味を深めていく探求心が大切だと思います。自分自身の目標や理想に近づくために、どう行動するのか、何を選択するのかで未来は変わってくるのではないかと感じています。

 私は進路を決めるのが遅かったのですが、少しでも興味や気になることがあれば、まずやってみる。そして、思っていたことと違えば更にいろいろなことに挑戦してみることで、自分に合うものを見つけることができるのではないかと思います。

社会福祉法人京都老人福祉協会
京都市南部障害者地域生活支援センター「ふかくさ」※取材当時

中川 ありささん

ARISA NAKAGAWA

  • 日本福祉大学 社会福祉学部 社会福祉学科 子ども専修 2021年卒業
  • 京都府/亀岡高等学校出身

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<取材:大阪サテライト>