富山県富山市にある社会福祉法人宣長康久会 特別養護老人ホームささづ苑で勤務されている吉野さんにお話を伺いました。

社会福祉士の学びを通して、視野が広がった。

地元の大学を卒業後、介護従事者として就職し、管理者とケアマネジャーを兼務していた吉野さん。そんな中、若年性認知症の方の働く環境づくりに関わられていた際、もっと自分の視野が広がったら、もっと制度を知ったら、より多くの方の支援ができるのではないかと思われるようになりました。そこで、社会福祉士の資格取得を決意。日本福祉大学の通信教育部に編入学し、社会福祉士の国家試験にも合格されました。

「自分の目の前にいる方への直接的な支援にとどまらず、周りの環境にもアプローチをすることが大切。こういった視点がもてるようになったのは、社会福祉士の勉強をしてからです。
例えば、デイサービス利用者の方に、施設内で満足して過ごしてもらえたらそれでよいのか。その方の生活の軸はデイサービスではなく自宅のはず。では家での生活が困難である場合はどんな環境づくりが必要なのか、どんな働きかけができるのか――その人にとっての幸せをどう実現していくのか。それには直接的な支援だけでは足りません。広い視野や連携が必要なんです」

福祉教育を通じ、子どもたちと地域とのつながりづくりを。

吉野さんは現在、ささづ苑にて社会福祉法人の地域貢献を担当されています。これまでに地元の教育機関や企業、他の社会福祉法人等とも連携し、福祉防災マップの作成や高齢者を対象にしたスマホ操作や安全運転の教室開催、SDGsに関する講座開催など様々な事業を企画運営されています。その中で重視されている取り組みの一つは、小学校での福祉教育。

「地域のことや、人にやさしくすることの大切さを子どもの頃から知っていてほしい。困っている人がいたら無視するのではなく、自分のできることを見つけよう、と伝えています。子どもたちは、1年間関わっているうちにどんどん自分で考えられる力を身につけていきます。なかには、一人暮らし世帯のごみ捨てを手伝ったり地域活動に参加したりするようになる子もいるんです」

大人世代がいきなり地域と関わるのはハードルが高いけれど、子どもたちが地域に関心をもつとその親も関わりをもつようになる。結果的に地域全体の底上げになるんですよと続ける吉野さん。今後も、将来を担う子どもたちに対して、大人としてできることを伝えていきたいと熱く語ってくださいました。

人との縁を大切に。広い視野をもって学んでいきましょう。

学びを通して自分が変われたから視野も広がり、繋がりもでき、様々な挑戦ができるようになったという吉野さん。最後に、在学生へのメッセージをいただきました。

「学生の皆さんには、人との縁を大切に、今を十分に楽しんでほしい。広い世界を見て、経験してほしい。その経験や視野の広さは将来きっと役に立ちます。」

吉野さんの益々のご活躍を楽しみにしています。

社会福祉法人宣長康久会 特別養護老人ホームささづ苑 生活相談員

吉野 英樹さん

HIDEKI YOSHINO

  • 2018年日本福祉大学 福祉経営学部 医療・福祉マネジメント学科(通信教育)を卒業
  • 富山県出身

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<取材:富山オフィス>