「日本の福祉を変えるなら、日本福祉大学へ行け。」

 これは、村越さんが高校の先生に言われた言葉だそうです。
高校で介護福祉士を取得し、日本福祉大学を経て社会福祉士と精神保健福祉士を取得した村越さんにオンラインでお話を伺いました。

 村越さんは和歌山県日高川町にある、株式会社松山・就労継続支援B型事業所ゆう という事業所の管理者兼サービス管理責任者をされています。

 就労支援の内容として、キャンプ場の施設管理や清掃作業、農家さんの仕事サポートの他に、季節限定で焼き芋販売なども行っています。

農家さんのお手伝い
販売している焼き芋

 この事業所の特徴はゴルフ場と併設されていることです。
事業所とゴルフ場の駐車場が共有スペースになっているため、事業所の利用者さんは駐車場内を気分転換に歩かれているそうです。

 多くの人はその光景を見て、「危ない」、「施設の中にいないなんておかしい」
そう思うのが一般的かもしれません。
「気分転換は良いことだし、別の場所でできるように支援しよう」
支援の在り方としてはそのような方法もあるかもしれません。

 しかし、村越さんの事業所では利用者さんの行動をできるだけ制限しないとのこと。
結果的に、駐車場内は安全運転をするお客さんが増え、駐車場内の事故やトラブルが無くなったそうです。

 障害のある人と社会が交わる瞬間、「危ない」、「排除しよう」となりがちです。
我々、福祉従事者が考える【正しさ】とは何なのか。
目の前の課題から逃げずに向き合い、これからも社会に問い続けていきたい。
そのように村越さんは語られました。

 そんな村越さんですが、在学中は先生たちとのトークがとても楽しかったそうです。
福祉のことで気になることがあれば、とっていない授業でも興味のある先生の授業を受け、必ず質問。
研究室まで行って質問攻めなんてこともあったそうです。

「理論あっても使えないと意味ないですよね?」
「実際どう活かせば良いか教えてください!」
「これはソーシャルワーカーならできないとマズいことですか?」 など

卒業後も親交のある高山京子先生

 村越さんが考える“本当のソーシャルワーカー”とは。
それは、制度やサービスがないから無理だと言わない人。
目の前にいる人に対して最善を尽くし、絶対にあきらめず、社会に働きかけ、時には制度までつくってしまう。
そんなソーシャルワーカーが世界にたくさんいれば社会は絶対に豊かになる。

 今までもこれからも最高の大学だと信じたいし、最高最強のソーシャルワーカーを輩出し続ける大学であって欲しい。
そのように語る村越さんの言葉から、日本福祉大学への期待と福祉に対する熱い想いを感じました。

 村越さんは、ブログやSNSからソーシャルワーカーの視点で様々なことを発信していますので、ぜひチェックしてみてください。

株式会社松山・就労継続支援B型事業所ゆう 管理者兼サービス管理責任者

村越 拓也さん

TAKUYA MURAKOSHI

  • 日本福祉大学 社会福祉学部 保健福祉学科 2012年卒業
  • 静岡県/吉田高等学校(福祉科)出身 ※現在は静岡県立清流館高校に統合

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<取材:大阪サテライト>