お知らせ

「ポートフォリオを活用した学生指導」をテーマにFD学習会を開催しました

 健康科学部 リハビリテーション学科 作業療法学専攻では、今年度から1・2年生に統合学生カルテ(eポートフォリオ)を導入し、学生への個別指導や学修支援に役立てています。12月12日に同学部のFD学習会が開かれ、作業療法学専攻の山中武彦教授が「ポートフォリオを活用した学生指導」をテーマに、その取組と成果を共有しました。

 同専攻では、4年間の学びを通してディプロマ・ポリシーに掲げる「知識・理解」、「汎用的技能」、「態度・志向性」を総合的に養うカリキュラムを展開しています。そのカリキュラムにより作業療法士の養成教育で求められる基準を着実にクリアするとともに、ディプロマ・ポリシーに掲げる人材養成目標を達成し、卒業時の質保証を図るための学修管理・支援ツールとして統合学生カルテが導入されました。

 同専攻には、特に学生の「態度・志向性」を伸ばすために、クラス担任のような「履修指導教員制度」があり、履修指導教員が演習科目の担当、学生との個別面談、父母懇談会での面談を担っています。統合学生カルテでは科目群ごとのGPAやディプロマ・ポリシーごとのGPA、学生が立てた一年の学修到達目標を閲覧できるため、学生との個別面談の際に、個々の詳細な履修状況に応じたきめ細かな助言ができるようになりました。さらに、面談を踏まえて、カルテに学生へのコメントを記し、より一層の学修意欲の喚起を促しています。教員から学生へのコメントは、一年度の期初・期中・期末の3回、記せるようになっています。
 個別面談以外の場面では、カルテ上の学生属性情報を演習のグループ構成や実習配置、学修指導、就職活動支援等に活かしています。

 学生による学修到達目標の設定・自己評価、教員による評価には、「態度・志向性」を評価するルーブリックを使用しています。これは、統合学生カルテ導入前の2017年度から使用を開始され、今年で3年目を迎えました。カルテの導入を機に、カルテ上に評価を記録し、学生・教員がいつでも閲覧できるようになりました。ルーブリック導入前と比べると、「態度・志向性」の改善が見られたとのことです。

 最後に、中長期的な展望として、高大社接続の視点からのポートフォリオの有機的な活用や、臨床実習における教員の実習状況のモニタリング・学生の自習記録の保存・臨床施設との学修状況共有といった活用について語られました。

 発表を聴いた参加者からは、ポートフォリオの機能や次年度から始まる高等教育負担軽減制度に係る学生の学修状況の把握と学修支援など、ポートフォリオの一層の活用を模索するような意見・質問が寄せられました。