お知らせ

テーマⅡ・Ⅴ採択校共催のシンポジウムを開催しました

 本学は、平成28年度文部科学省大学教育再生プログラム(以下、AP)のテーマⅤ「卒業時に「おける質保証の取組の強化」に採択され、学士課程教育の一層の実質化を図るべく様々な取組を展開しています。また、本学はテーマⅤの幹事校を務め、テーマⅤ採択校(本学含め19校)とともに、各校の取組がよりよいものとなるよう研究会等を行っています。
 この度、2018年2月16日(金)に品川ザ・グランドホール(東京都品川区)にて、テーマⅡ・Ⅴ採択校共催によるシンポジウムを開催し、AP採択校を始め、全国の高等教育機関、企業等から約250名が参加しました。
 テーマⅡ「学習成果の可視化」とテーマⅤ「卒業時における質保証の取組の強化」は、ともに教育の質保証に取り組み、学修成果を可視化するにおいて共通するところもあるため、「高等教育に求められる質保証を考える-学修成果の可視化による教育改善と卒業時の質保証-」をテーマに、高等教育関係者の現状と課題、展望を共有し、教育改革を一層進める契機としました。

 北九州市立大学 柳井雅人副学長の挨拶で開会し、文部科学省 高等教育局 大学振興課 大学改革推進室長の平野博紀氏による来賓挨拶では、高等教育に求められる質保証についての現状と今後の展望についてご説明いただきました。
 その後、基調講演では、関西国際大学 濱名篤学長、早稲田大学 吉田文教授をお招きして、それぞれ「学修成果の可視化と質保証」、「学士課程卒業時の質保証-誰のために何を保証するのか」をテーマにご講演いただきました。濱名学長からは、教育の質保証の政策動向を踏まえて、現在の高等教育機関の課題と改善策についてご示唆いただきました。また、同大のアセスメントポリシーに基づく評価実践の紹介もあり、学生自身の成長を実感・説明できる学修成果評価と学生の自己評価力の育成などについて語られました。吉田教授からは、質保証に関わる国内の文教政策の経緯、変遷をふりかえった上で、世界的な潮流をにらみながら社会のどのステークホルダーを対象に何を保証しなければならないかという根本的な問題をご提起いただきました。

基調講演(関西国際大学 濱名 篤学長)

基調講演(早稲田大学 吉田 文教授)

 続く事例報告では、テーマⅡより横浜国立大学 市村光之准教授、八戸工業大学 阿波稔教授、テーマⅤより東日本国際大学 関沢和泉准教授、日本福祉大学 中村信次教授が各校の取組状況を報告しました。入学者選抜から卒業後まで一貫して見通す学生IRや、学修成果の可視化のためのシステム構築、ミクロな授業改善をマクロなディプロマ・ポリシーに繋げていくことなどの詳しい報告がなされました。

事例報告(横浜国立大学 市村 光之准教授)

事例報告(日本福祉大学 中村 信次教授)

 プログラムの最後のパネルディスカッションでは、フロアからの質疑応答に加え、「学修成果の可視化による質保証とAPの取組」について議論しました。質疑応答では、基調講演と事例報告に対して、参加者から多くの意見・質問が寄せられ、教育の質保証や各校の取組への関心の高さが窺えました。後半は登壇者から各校の取組推進における課題について会場全体で共有することができました。最後はテーマⅤの幹事校を務める日本福祉大学 山本秀人副学長からの挨拶で、盛会のうちに閉会しました。

パネルディスカッション

会場の様子

 昼休憩時には、AP採択校16校によるポスターセッションもあり、本学は「日本福祉大学学生スタンダードを育む取組」として、基礎リテラシーの育成とリメディアル教育の取組の詳細について発表しました。来場者からは、「実施している内容が高度であり、1年生が行うには難しいように思うが何年生を対象に実施したのか、「学生が記入した振り返りシートに対して教員はコメントを返したりしたか」、「自大学での取組の参考とするため、書籍等の他大学でも利用できる形で提示してほしい」などの実践に関する質問や意見が寄せられました。
 本シンポジウムは活発な意見・情報交換の場となり、今回、APの採択テーマの枠を越えた取組成果や課題の共有ができたことで、今後のAPを始めとした高等教育機関での教育改革の進展にむけた一助になったのではないかと思います。

閉会挨拶(日本福祉大学 山本 秀人副学長)

ポスターセッション(日本福祉大学 村川 弘城助教)