お知らせ

地域で「伝える力」を発揮しました

半田市社会福祉協議会が半田市のJR亀崎駅前に開設した「亀崎ささえあいセンター 駅前はうす」にて、10月19日、26日の2週に亘り、社会福祉学部1年の村川弘城ゼミの学生が10名ずつ、計20名が地域の方々とゲームを通じた交流を行いました。

これまで村川ゼミ(「総合演習」)では、本学学生が卒業までに身に付けるべき能力である「日本福祉大学スタンダード*」の基礎となる、「伝える力」・「見据える力」を身に付けるため、様々なアクティビティを通して人に言葉で説明することの難しさや、人による解釈の違いなどを体験してきました。

この体験を活かして、「駅前はうす」訪問の数週間前から、地域の方と取り組むにはどのようなゲームが相応しいかグループでアイデアを出し合い、企画の準備を進めてきました。

*日本福祉大学スタンダードとは、所属学部に関わらず本学学生として卒業時までに身に付けてほしい4つの力(伝える力、見据える力、関わる力、共感する力)を指します。

10月19日には「あと出しじゃんけんゲーム」と「絵当てゲーム」の2種類を実施しました。

「あと出しじゃんけんゲーム」は司会の人の「勝ってください」、「負けてください」の指示に従いながら、一緒にじゃんけんをするゲームです。全員が一体となって遊び、そのあとの座談会を盛り上げることをねらいとして開発したものです。ルールも簡単で、大変盛り上がり、参加者からは何度もアンコールの声があがりました。

「絵当てゲーム」は2分間の間に提示された絵を記憶して、グループメンバーでどれだけ多くの絵を思い出せるかを競うゲームです。一人一人の記憶は小さくとも、人が集まれば多くのことを覚えることができます。ゲーム中にも、「あなたはこの家を覚えておいて」といった役割分担を促す声が聞こえました。

10月26日には、「ダウトゲーム」と「亀崎すごろく」の2種類を実施しました。

「ダウトゲーム」は、トランプ「ダウト」のゲームに、そのカードに書かれたお題の内容を話す罰ゲームを合わせたものです。これは、普段自分から進んで話すことができない人でも、罰ゲームならと思って話すことを促すことをねらいとして開発されました。このゲームにより、参加者は、楽しくおしゃべりをすることができました。

「亀崎すごろく」は、亀崎地区の有名な場所、催し物などをゴールに見立て、毎回異なるゴールを目指してサイコロを転がすゲームです。これは、亀崎地区に住む人が持つ地元の情報を聞いて、その良さを収集することをねらいとして開発されました。ゲーム中に参加者は、「そういえばこの神社で昔よく遊んだな」といった昔語りをたくさんしていました。

ゲームを開発する時点では、学生は次の点を検討し、何度も説明文の修正を重ねました。

  • ルールは簡単でなければならない。
  • 説明は短くても不足があってはならない。
  • 人によってわからない用語がある。
  • 理解する力は人によって異なる。
  • 勘違いして理解している人がいるかもしれない。
  • 想定外のことが起こるかもしれない。

当日も、想定していたことと異なることが起こりましたが、それに気づいた学生がそれぞれで対応し、うまく交流会が進められたように思います。

失敗から学びを深めさせようと考え、教員は準備段階からほとんど手を入れなかったのですが、学生達はしっかりと準備し、各人がしっかりと考えて行動したため、大変うまくいったようです。

あとは、自分たちが行ったことを客観的に捉え、一つの研究ストーリーとして組み上げられるかを楽しみにしたいと思います。