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テーマⅤ 「2018年度第2回地域別研究会」を開催しました

テーマⅤ 「2018年度第2回地域別研究会」を開催しました

 2018年11月13日(火)に東京都市大学世田谷キャンパスにて、今年度2回目となる「地域別研究会」(※)を開催し、事例報告とグループワークを行いました。テーマⅤ採択校から26名の教職員が参加しました。

※卒業時の質保証の強化に関わり、テーマⅤ採択校が抱える課題や関心に焦点を当てたテーマを設定して、取組状況や課題を共有する場として地域別研究会を開催しています。

 事例報告では、千歳科学技術大学の石田雪也専任講師が、ディプロマ・サプリメント(学生ごとの学修成果と到達度を提示する書類)の作成に向けた取組について報告しました。
 初めに、1・2年次という早期段階のキャリア科目において、学生にディプロマ・ポリシーを意識付ける取組について紹介されました。理工学に関するアカデミック・リテラシーとの両輪で主体性や協調性といった人間力を養う必要があり、それは通常科目を主体にキャリア科目がサポートする形で教育課程全体で取り組むべきであると、科目の重要性が語られました。
 次に、教育の質保証の取組について紹介しました。カリキュラムを体系化し、その科目領域ごとに1~4年次の到達目標と、各レベルに到達するために履修すべき科目を「質保証マップ」に記し、教育課程全体のルーブリックを作成。また、シラバスにはディプロマ・ポリシーの項目(当該科目で身に付けられる能力、能力評価方法)を明記し、成績評価の厳密化を図っています。系統立った履修の積み重ねにより、学生個々の学修成果を可視化するディプロマ・サプリメントを発行します。進路の希望に応じて、学生がサプリメントの表示項目を選択できる点が特長的でした。

 

 次のグループワークでは、グループごとに各校のディプロマ・サプリメントの内容と学生・教職員・社会におけるサプリメントの活用方について紹介し、良い点、疑問・問題点、助言・改善点を出し合いました。

 

<良い点>

  • ディプロマ・ポリシーに対応したGPAが算出されている。
  • 相対評価と絶対評価を使い分けている点が良い。
  • 定量情報、定性情報が記載されておりわかりやすい。
  • ボランティア活動等の経験に対して教員が承認する仕組みをとっている。
  • 学生が自ら活用方法を考えながら表示項目を設定できる。

<疑問・問題点>

  • 学生が正しく自己評価を行うことができるか。
  • 活動・経験に対してどのように評価すべきか。
  • 評価が低い学生に対してディプロマ・サプリメントの活用方法をどのように指導すべきか。
  • 大学院進学へのキャリアパスに対してどのように対応するか。

<助言・改善点>

  • 学生本人が入力すること対して、正確性を担保する必要がある。
  • パフォーマンス評価の際、学部・学科間の差が出てしまわないか。

 ディプロマ・ポリシーが求める能力の獲得状況を明示するものや、卒業論文研究に特化した内容のものなど、ディプロマ・サプリメントの表示項目や活用の方向性等、各校の特色が形になって表れていることが分かりました。

事例報告(千歳科学技術大学)
全体の様子
グループワーク
グループワーク