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テーマⅤ 「2018年度第1回地域別研究会」および「APシンポジウム」を開催しました

テーマⅤ 「2018年度第1回地域別研究会」および「APシンポジウム」を開催しました

2018年8月24日(金)に日本赤十字九州国際看護大学にて、午前に、今年度初回となるテーマⅤ採択校を対象とした「地域別研究会」(※)を、午後に同大学主催、テーマⅤ幹事校共催の公開型の「APシンポジム」を開催しました。

※卒業時の質保証の強化に関わり、テーマⅤ採択校が抱える課題や関心に焦点を当てたテーマを設定して、取組状況や課題を共有する場として地域別研究会を開催しています。

 午前の地域別研究会には、テーマⅤ採択校から約40名が参加し、事例報告とグループワークを行いました。
 事例報告では、茨城大学の佐川明美助教が「卒業時の能力の可視化」をテーマに、入学から卒業までの学修の動機付け、学修とその振り返りの蓄積、そして卒業段階で学生が身に付けた能力の客観的評価の仕組みについて報告しました。学修の動機付けについては、入学式直後に、新入生と保護者を対象に、ディプロマ・ポリシー(以下、「DP」という)とそれを意識した各年次の学生生活を説明することで、その後の4年間の学修の意識付けをしています。学修成果については、教務情報ポータルシステムを用いてレーダーチャート形式で可視化し、卒業段階の学生が身に付けた能力は、卒業研究でルーブリックを用いた評価を試行運用していることが紹介されました。

 次のグループワークでは、各校のディプロマ・サプリメント(学生ごとの学修成果と到達度を提示する書類)の表示項目と活用方法について、グループ内で情報交換を行いました。学生が同サプリメントの情報源ともなるポートフォリオに学修履歴等を入力するメリットを感じるようにする必要性や、学生が入力した内容の真偽に対する大学としての確認方法等の課題も共有されました。中にはディプロマ・サプリメントという形では発行しない採択校もあり、その発行の有無や就職活動での活用の有無など、各校の考え方や取組状況を共有することができました。

 午後のAPシンポジウムには、AP採択校や高等教育機関、医療機関などから約90名が参加しました。
 九州大学 基幹教育院の山田政寛准教授より「ラーニングアナリティクスを基にした学修成果の可視化」をテーマにご講演いただきました。同大ではBYOD(Bring your own deviceの略。学生所有のパソコン等のモバイル端末を持参し、授業やその他の学習に利用すること)を進め、学生に講義資料を配信して予習・復習を促したり、ポートフォリオシステムへの講義の振り返り等の入力を促したりしています。大学での学びのベースとなる基幹教育科目を中心に、学生に予習段階で講義資料のわからない部分にマーカーを引かせることで、多くの学生がわからない箇所を把握し、そこを重点的に説明することや、学生の教材閲覧状況を講義中にリアルタイムに分析することで、学生の理解度に応じて講義内容をアレンジしていることなどが紹介されました。学修成果として成績結果を示すだけではなく、学習行動を可視化することが重要であると、示唆に富んだご講演をいただきました。
 続くシンポジウムでは、テーマⅤ採択校の東海大学短期大学部、日本赤十字九州国際看護大学、テーマⅡ採択校の福岡歯科大学のAPの取組が報告され、パネルディスカッションを行いました。
 地域別研究会とAPシンポジウムを通して、学修成果の可視化の意義・手法を考える機会となりました。

地域別研究会 事例報告(茨城大学)
グループワーク
APシンポジウム 基調講演
パネルディスカッション