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取組レポート① 東海大学短期大学部

取組レポート① 東海大学短期大学部

APにおける先進的な取り組みを紹介するため、東海大学短期大学部を取材しました。

 

東海大学短期大学部では、保育・教育に求められる力(学習成果)を9項目設定しています。その9項目の内訳は、人間性から「自己理解」、「向上心」の2項目、社会性から「表現力」、「人間関係力」、「常識・教養」の3項目、専門性から「使命感」、「子ども理解」、「教育・保育構想力」、「教育・保育実践力」の4項目です。この「学習成果9項目」は、教員はもとより学生にも周知徹底されており、全ての学生がその内容も含めて理解し、自らの活動時に利用しています。これらの力の習得に向けて、2つの大きな取り組みが行われています。

 

1点目の取り組みは、「年に2回の全学生を対象とした面談」です。

東海大学短期大学部では、全ての学生に対し、5月と10月に面談を実施しています。5月には、上記の「学習成果9項目」から特に力を入れたい項目を選択し、その項目を達成するためのアクションプランを学生自身に立てさせます。ここで教員は、そのプランが実現可能なのか、そのプランで自分が選択した「学習成果9項目」を身に付けることができるのかなどについて学生と話し合いを行います。そして学生は、10月までそのアクションプランをもとに行動します。10月には、学生自身に自己評価をさせ、その評価が適切なものなのかなどを学生と話し合います。

2点目の取り組みは、「学習成果9項目を組み込んだ成績評価」です。

東海大学短期大学部では、「学習成果9項目」を各講義に割り当てるだけでなく、その評価配分まで設定され、シラバスに記載されています。これをもとに、学生個人の「学習成果9項目」の各項目得点が計算され、ディプロマ・サプリメントに反映されます。これらの情報は、可視化して終わりではなく、就職時に、学生の特性に合せた就職先とのマッチングに利用されています。

 

このように東海大学短期大学部では、「学習成果9項目」を単に大学のディプロマ・ポリシーとして掲げるだけでなく、達成目標として学生自身がしっかりと意識でき、2年間の学びを示すツールとして利用されていました。規模やねらいなど、大学の性質によって全く同じ方法をとる必要はないかもしれませんが、学習成果をしっかりと教育に生かすという姿勢は、APの全ての採択校において参考にする必要があるでしょう。

 

(聞き手:日本福祉大学 全学教育センター 教授 佐藤慎一、助教 村川弘城)

 

関連リンク

東海大学短期大学部事業概要                                                  

https://www.n-fukushi.ac.jp/ap-portal/summary/?mode=detail&entryID=20

学長補佐 児童教育学科主任 山本康治教授
児童教育学科 桑原公美子教授