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テーマⅤ 「2019年度第1回地域別研究会」を開催しました

テーマⅤ 「2019年度第1回地域別研究会」を開催しました

 2019年8月29日(木)に東京都新宿区のエステック情報ビルにて、今年度初回となる「地域別研究会」(※)を開催し、事例報告とグループワークを行いました。テーマⅤ採択校から27名の教職員が参加しました。

※卒業時の質保証の強化に関わり、テーマⅤ採択校が抱える課題や関心に焦点を当てたテーマを設定して、取組状況や課題を共有する場として地域別研究会を開催しています。

 事例報告では、鹿屋体育大学 教育企画・評価室の金高宏文教授が、ディプロマ・ポリシー(以下、「DP」という)を意識した学修成果の可視化と、スポーツ指導力測定ツールの開発について報告しました。
 同大では、DPに基づき、学生が身に付けるべき資質・能力を12項目設定しています。4年間の学びを充実したものとするためのノウハウを紹介するパンフレットを作成し、資質・能力の説明を載せて、学生に配布しています。これにより、学生はこれらの資質・能力を意識しながら学修に励んでいます。資質・能力別の修得度については、GPAおよび独自テスト、外部テストを利用して可視化と評価を行っており、それらの結果は学修ポートフォリオシステム「NIFSpass」に蓄積されます。学生は自身の学修成果を振り返り、「今後、どんな資質や能力を伸ばしたり、身に着けたいと思いますか」といった設問に対する回答をポートフォリオに記入しています。
 特長的な取組として、独自テストとして開発したスポーツ指導力の測定ツールが紹介されました。これは「SCCOT(Sports Coaching Competency Test)」というスポーツ指導者の行動特性を評価することができるテストです。近年、スポーツ指導の現場では、体罰やパワハラ等が問題視され、指導者の倫理観・価値観が問われています。そこで、文部科学省やスポーツ庁、日本スポーツ協会が提唱するスポーツ指導者の理念・育成モデルを参考に、日本スポーツ協会や他の体育学部のある大学等からの助言や、1,000人規模での試行テストを経て、SCCOTが開発されました。1~4年次の各学年でテストを実施し、その結果が教育改善に役立てられています。

 

 続くグループワークでは、「補助期間終了後のAP事業の継続・発展性について」をテーマに、各採択校のAP事業の現状と今後を整理した上で、グループ内で共有し、課題の解決策を話し合いました。テーマⅤの事業も4年目を迎え、各校の取組の基盤は整い、取組のより円滑な推進と浸透に注力する時期になっているため、成熟期ならではの高次の課題や、質保証の本質を問うような課題が挙がりました。それに対するアイデアを紹介したり、共に解決策を話し合ったりと、活発に議論しました。

事例報告(鹿屋体育大学)
全体の様子
グループワーク
グループワーク