私の住む大和市は、韓国の光明市と海外友好都市で、お互いの市を訪問しあっています。 昨年の夏、私は大和市親善大使の一員として、韓国へ行きました。私にとって初めての韓国でした。同じアジア圏に住み、見た目は似ている私たちですが、彼らの生活習慣は、私たちの生活習慣とは違うところもありました。私が驚いたのは、彼らのお風呂の入り方です。皆で同じお湯に入るのは、不衛生という考えから浴槽にはほとんど入らず、シャワーを使います。浴槽はホテルのように、一回ごとに栓を抜くのです。この考え方は欧米やヨーロッパのようだと思いました。 ホストファミリーは、日本人の私を気遣ってくれて、韓国版スーパー銭湯へ連れて行ってくれました。現地の人々は、湯船に長く入ることは少ないようでしたが、サウナは大人気でした。 私は、光明市側の職員さんに、スーパー銭湯でタオルを巻いて作るタオル帽子の作り方を教わりました。その帽子の形は、歴史の教科書で見た弥生時代の人々の髪形と、とてもよく似ていました。私たちのご先祖は、陸続きだった大陸を渡ってきたといわれています。私たちと彼らは元々同じご先祖で、住んだ環境によって生活習慣や文化が異なっていったことは間違いないと思いました。 現在日本と韓国、両国の間には政治問題、領土問題など様々な問題があります。しかし若い世代の私たちが、お互いの違いを認め合い、相手を理解しようと努め、互いの意見が異なるときは、粘り強く話し合いを続けていくことで、争いのない世界を目指すことができると考えます。比べ合い、奪い合うのではなく、一つのアジアとなるように…。親善大使という私たちの一歩は小さいけれど、小さな一歩を重ねていくことで大きな明日をつくることが出来ると私は信じています。
韓国に行って初めて知った彼らのお風呂の入り方や、ホストファミリーと一緒に韓国版スーパー銭湯に行った時の具体的な描写がうまく描かれています。ささやかなことかもしれませんが、違う国の人が行き交い、交わることでお互いの理解が進むのを感じたという作者の体験や感動を素直に受け止めることができる作品です。 作者が行動し、感じた小さな一歩の積み重ねが争いのない平和な世界の実現につながっていくことになるという想いを、応援したいと思います。