文章の構成が素晴らしいです。「えっ、どうしたの?なになに待ってよ」の書き出しを読んで、「何の話だろう?」と引き込まれました。車内がガラガラになっていたのに気づいた後の、心の中の動揺や行動するまでの心の動きがしっかり表現されている点が良いと思います。
「ただ、支援を当たり前のことと思い権利として主張するのは間違っている」という箇所には賛同できないところがあるという審査員の意見もありましたが、当事者である作者にしか書けないことを素直に表現し、「予期せぬ出来事に遭遇した時、障害者が困ることがある」という大事なテーマを取り上げて、エッセイにまとめた点を評価しました。