「人とのふれあい」というテーマの中で、直接の触れ合いではなく、自分の心の中で相手のことを気にかける視点が斬新で、その点が高く評価されました。自分が興味を持ったことしか見ない若者が多い中で、周りにもまなざしを向けて、何かを気に掛けることが、人とのふれあいの第一歩になるという作者の考えが伝わってきます。5年間の自分の成長と同じバスに乗る人たちの成長や変化をうまく取り入れた構成力も秀逸です。そして、難しい言葉を使わず、平凡な言葉を使いながら、きちんと読ませる文章力もいいですね。また、最後の1行が気が利いていて、エッセイをうまく締めくくっています。