科目名 国際関係論

単 位 数 学年配当 開講期間 担 当 教 員
2 3 前期開講 近藤 菜月

テーマ
国際開発の歴史的展開を教育分野に焦点を当てて理解する。途上国社会を生きる人々のことを想像し、途上国の教育について、自分自身の経験と結びつけながら考える視点と機会を持つ。

科目のねらい
<キーワード>
途上国の教育課題
開発の歴史
教育とは何か
なぜ学校に行くのか


<内容の要約>
本講義では、途上国の教育について考える。日本を含む先進国が途上国の教育にどのように関わってきたのか、途上国の人々にとっての「学ぶ」、「教育」とはどういうことか、それと学校教育はどのような関係にあるのかといった事柄について、学習し、考えを深める。「途上国の教育開発」というと、遠い貧しい国のこと、自分とは関係の薄いことであるように感じる人も少なくないかもしれない。しかし実際には、途上国の教育について考えるときに浮上する課題は、私達が普段学校に通ったり、学習したりする上で感じることともつながりを持っている。逆に、歴史的・文化的背景が異なるからこそ、普段我々が気にすることのない、気づきにくい事がらも多く存在する。本講義では、自分と異なる社会に生きる「他者」の教育について考える際に、自分の社会との違いを意識しつつ、共感を持って想像し、理解を深めるための視点を養うことを目指す。


<学習目標>
途上国の教育の現状や課題について、具体的な事例と共に理解する。

教育協力の理念や手法の歴史的変遷を知る。

途上国における教育と、日本社会の教育とを結びつけて考える視点を身につける。

授業のながれ
オリエンテーション授業の目的とねらい、次回以降の流れを説明する。
フィールドについて知る@フィールドとの出会いフィールドを多面的に理解する視点を、アフリカを事例として全4回で学ぶ。
フィールドについて知るAガーナの歴史と教育ガーナを事例として、学校教育制度がなぜ、どのように広まったかを知る。
フィールドについて知るBガーナの伝統的教育と伝統的知識学校教育制度が導入される以前から、コミュニティで行われてきたインフォーマルな教育や伝統的知識、生活知について学ぶ。
フィールドについて知るCアフリカのユニークな教育の例ヨーロッパから持ち込まれた学校教育制度をアフリカ社会に合うものにするための実践や教育改革の事例を紹介する。
教育とは何か@学校教育と国家「教育」が持つ機能や意味について、全4回にわたって学ぶ。最初に、教育の役割を、国家の観点(経済成長や国民アイデンティティの形成)から考える。
教育とは何かAなぜ私達は学校に行くのか?学歴と就職教育や就学の意味を、個人の観点(学歴、就職、収入)から考える。
教育とは何かB「考える力」を身につけるための教育学習者の関心に基づく経験的な学びを重視する教育思想(児童中心主義や進歩主義教育)を学ぶ。
教育とは何かCエンパワーメントとしての教育教育が、マイノリティの立場にある人々のエンパワーメントや、社会変革の原動力となる可能性について学ぶ。
中間まとめ講義の前半で学んだことを振り返り、自分の関心や経験と結びつけながら理解を深めるためのグループディスカッションを行う。
開発と教育@50~60年代:経済成長、人的資本論国際教育協力の理念やアプローチの歴史的変化を、全4回にわたって紹介する。
開発と教育A70~80年代:「ベーシック・ヒューマン・ニーズ(BHN)」としての教育初期の経済成長至上主義から、人権中心アプローチや「近代化」に対する疑問等、「開発」の思想の変化・多様化を学ぶ。
開発と教育B90~2000年代:「万人のための教育(EFA)」1990年代に様々な国際会議で基礎教育の重要性が打ち出され、学校教育の量的拡大が一気に進んだことを理解する。
開発と教育C2000年以降:ミレニアム開発目標(MDGs)から持続可能な開発目標(SDGs)へ2000年以降の国際開発では教育開発がどのように変化したかを理解する。
全体の振り返りとまとめここまでの流れを振り返り、これからの教育開発の在り方について考えるポイントをまとめる。

準備学習の内容・学ぶ上での注意
授業の内容を、学生が自分自身の経験や関心と結びつけられるようになるべく工夫します。自分でも、授業の中で関心を持った事例や理論について調べるなどしてみて下さい。授業のおわりに、ミニレポート課題を出すことがあります。

事前事後 学習内容 時間数
     

本科目の関連科目
 

成績評価の方法
期末試験(筆記・Web・レポート・最終授業内) 70%
授業内でのレポート・課題等 30%
その他  0%
講義内で複数回ミニレポートを課し、 期末レポートとあわせて評価を行う。

テキスト
□テキストを使用する
□レジュメを使用する
■未定 (最初の授業で指示する)
 



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