科目名 リハビリテーション医学

単 位 数 学年配当 開講期間 担 当 教 員
2 2 後期開講 藤井 博之

テーマ
福祉職のためのリハビリテーション医学ー理念と実際ー

科目のねらい
<キーワード>
リハビリテーション  国際生活機能分類(ICF)
多重問題  多職種協働

<内容の要約>
 リハビリテーション(以下リハ)の中で、医療は一定の役割を果たしてきました。なかでもリハ医学は、「全人間的復権」(上田敏)という理念、障がい者という対象、当事者と生活・社会環境の双方へ働きかける方法をもちます。リハ医学・医療が協働する範囲は、心理、介護、教育・保育・就労支援などいわゆる障がい者福祉、工学、町づくり、社会政策全体に広がります。多重問題・複雑な課題をもつケースへの支援にかかわることも多く、福祉職はリハ医療の中でも欠かせない役割を果たしています。
 本講義では、リハ医学の基本概念、理念・価値、対象、方法について、医療ソーシャルワーカー(MSW)や、地域包括支援センターの社会福祉士,ケアマネジャーやケアワーカーとして支援チームに参加する際に役に立つように、できるだけ実際の例を示しながら理解できるように進めます。
 救命救急、急性期病院、回復期リハ病院、在宅ケア、介護施設、就労支援、特別支援教育などのつながり・流れをとらえ、リハ医療とソーシャルワークの方法を考えます。

<学習目標>
障がいをもちながら「人間らしく生きること」を援助するリハの理念を説明できる。
基本概念(ADL評価、目標)、PT・OT・STなどの専門職、補助器具の特徴を説明できる。
リハに関わる多職種・多事業(所)間の協働について説明できる。
リハ医療を中心に、急性期医療から地域ケアまでの流れとつながりを説明できる。

授業のながれ
第 1回 リハビリテーションとリハ医学:4つの側面、リハの定義、地域リハ(CBR)、ノーマリゼーション、自立生活(IL)
第 2回 国際生活機能分類 (ICF) とリハビリテーション・アプローチ
第 3回 リハ医学の方法1:診断と評価、ADLと参加、体験としての障がい
第 4回 リハ医学の方法2:目標(ゴール)と当事者への働きかけ
第 5回 リハ医学の方法3:専門職の価値観・対象・方法
第 6回 リハ医学の方法4:環境への働きかけ、補助器具・福祉用具、住宅改修
第 7回 チームワーク論 :「病期」と多職種協働、医療・介護とリハ 
第 8回 リハ医療の実際1:リハ科医師の一日
第 9回 リハ医療の実際2:ある脳卒中患者の社会復帰
第10回 リハ医療の実際3:高齢障がい者(骨関節疾患、脊髄損傷)の在宅復帰
第11回 リハ医療の実際4:障がい者の自立生活を支える(神経筋疾患、脳性まひ、発達障害、精神障害)
第12回 リハ医療の実際5:ICUからリハをはじめる(心大血管、内部障害)
第13回 多重問題とリハ医療:緩和ケアの現場で
第14回 多重問題とリハ医療:ある家族をめぐって
第15回 まとめ

準備学習の内容・学ぶ上での注意
 講義資料を作成し、最初の2回は印刷して配布します。3回目以降は各自が事前にダウンロードし、目を通して、講義時に持参してください。 
 毎回、シラバスまたは講義中に伝える予告にしたがって、講義資料や推薦図書の該当箇所を読んでから、講義に参加してください。
 推薦図書や、講義中に紹介する教材・参考文献の中から最低1冊は手にとって、定期試験までに「自分の中に残る一節」を見つけておいてください。

本科目の関連科目
「障害社福祉論」 「高齢者福祉論」 「介護福祉論」 「医学概論」 「ケアマネジメント論」「医療福祉論」 「精神科リハビリテーション学」

成績評価の方法
課題・小テスト
レポート
中間試験
定期試験
そ の 他
30%
0%
0%
70%
0%
 本科目の内容は社会福祉士,精神保健福祉士の国家試験の出題範囲でもあります。
 小テストは不定期に実施します。
 小テスト、定期試験とも、実際の国家試験を参考にほぼ同様の形式の問題が中心ですが、1〜2問記述式を出題します。
 合計60%以上の得点で合格とします。

テキスト
□テキストを使用する
■レジュメを使用する
□未定 (最初の授業で指示する)
 



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