科目名 ソーシャルワーク外書講読

単 位 数 学年配当 開講期間 担 当 教 員
2 3 前期開講 木戸 利秋

テーマ
この授業では、大学で社会福祉の専門教育を受けている学生が、外国のソーシャルワーク事情を英文資料で学ぶことによって、社会福祉の国際理解を深めるとともに、専門領域での英文読解および英語表現能力を高めることを目的にしています。

科目のねらい
<キーワード>
社会福祉の英文読解  英語での社会福祉の国際理解
社会福祉における英語表現能力

<内容の要約>
3つのステップで授業を進める。ステップ1ではなぜ、どのように日本の社会福祉が外国から注目されるのか、高齢者福祉を例に解説するとともに、日本の社会福祉を英語で理解するための英語表現を学ぶ。ステップ1は、基礎編(3回程度)で英文の構造は比較的平易である。
ステップ2は、応用編(7回程度)。日本の社会福祉・ソーシャルワークにも関連する話題を、イギリスの社会福祉の専門雑誌や新聞ガーディアン(The Guardian)等から選択する。子どもから高齢者まで、領域別に特有な語いや言い回しがあるので、そこを習得するのがねらいである。ステップ1よりも英文は複雑になるが、英文法レベルの解説やイギリスの福祉事情の説明を補い、理解できるようにする。
ステップ3は、活用編(4回程度)。イギリスの大学で、ソーシャルワークコースに所属する学生の実習レポートを読んでもらい、日本の学生と同じような問題意識をもっていることを感じてもらうとともに、実習報告やプレゼンによく使う、便利な英語表現を見つけることがねらいである。最後に、この授業で学んだソーシャルワーク専門領域の英語表現をもとに、短い英文レポートの作成に取り組む。


<学習目標>
.社会福祉の職業人として必要となる英文読解能力を備えて活動することができる。
よりよい共生社会を構築するための方策をめぐって、外国の社会福祉の英文読解を通して、日本の抱える課題の国際的な普遍性や固有性を考えることができる。
国際化が進む現代社会の中で、自分の関心をもつ社会福祉を英語で発信できるよう英語表現方法を身につけ、実践することができる。

授業のながれ
基礎編@: 授業の目的、英文の読解のコツ、授業の進め方、予習復習の仕方、成績評価などの説明。IFSW(国際ソーシャルワーカー協会)のソーシャルワークの定義にもふれる。
基礎編A: 日本の高齢者福祉を素材にして日本の福祉を外国に発信しているビデオを観て、日本の福祉を英語で発信していく意義、また日本の福祉を外国に紹介するうえで押さえておくべきポイントなどを説明する。
基礎編B:戦後日本の社会福祉の展開に関する英語表現:とくに戦後改革、皆保険・皆年金、福祉見直し、基礎構造改革などの展開を英語で理解する。
応用編@:ソーシャルワーカーの職場状況に関する英語表現:イギリスのソーシャルワーカーは今、何を考え、悩んでいるのか。1100人のSWerに対する調査結果。(資料:BASW 英国ソーシャルワーカー協会)
.応用編A:子ども虐待と親との関係をめぐるソーシャルワークの英語表現:日本より早くから子どもの虐待が問題化しているイギリスでは、非協力的な親への対応が焦点になっている。(資料:BASW)
応用編B:養護措置された若者の自立(リービング・ケア)に関する英語表現:十分な準備ができないまま社会へと向かわざるを得ない若者が、現状をどうみているのか。308人の若者調査。(資料:BASW)
応用編C:障害者施設からの地域移行に関する英語表現:重度の学習障害をもち20年間、施設入所していた男性(51歳)が、非営利民間団体の支援で地域移行する事例。(資料:The Guardian)
応用編D: 施設ケアの質に関する英語表現:イギリスでは施設ケアについては厳しい見方が少なくない。なぜ、どういう点でマイナス評価なのか。ソーシャルワーカーへの調査から。(資料:BASW)
応用編E:高齢者ケアの財源と費用負担に関する英語表現:租税方式のイギリスでは、ある意味では日本以上に長期ケアの財源問題は悩ましい。政府の改革案をめぐる報道をみる。(資料:The Guardian)
応用編F:地域で独立開業したソーシャルワーカーの物語に関する英語表現:なぜ公務員ではやりたいことができないのか、新しく立ち上げた精神保健相談では、どんな手ごたえを感じているのか。(資料:BASW)
活用編@:イギリスのソーシャルワークコースの学生が大学4年間をふりかえる英語表現:入学の動機、授業での関心、友人たちとの交流、現場実習での学びなどの表現方法を学ぶ。(資料:BASW)
活用編A:ソーシャルワークコースの大学院生が実習体験をふりかえる英語表現:精神障害者の施設実習で、利用者との関係の深まりや相手の小さな変化に喜びを見出すようになった体験が述べられる。(資料:BASW)
活用編B:自分の社会福祉現場体験などをもとに、英語でのミニ・レポートを作成するための英語表現方法を学び、レポートを完成させる。
活用編C:完成させたミニ・レポートを発表する。英語表現方法についてのピア・レビューを行う。
全体のまとめ:授業をふまえ、社会福祉における英語表現の意義についての自分の考えを出し合い、今後の自分のさらなる学びの課題を確認する。

準備学習の内容・学ぶ上での注意
英語能力を高めるためには予習→授業→復習のサイクルを習慣化することが大切です。
予習では不明な単語調べ、音読、和訳を、そして復習では授業で説明したTechnical VocabularyやUseful Expressionsの確認を重点にして下さい。授業で扱う英文資料に含まれる専門語の単語帳を配布しますが、授業では英和辞典は必携です。電子辞書は携帯に便利で発音がでるものは参考にもなりますが、自宅でじっくり学習するには紙媒体の辞書をお薦めします。
毎回の授業では、英語の難易度にもよりますが、A4版1枚〜数枚の英文資料を使います。そのうちどこを予習するべきか、毎回、指示します。英文資料は、子ども、障がい者、高齢者などの分野から総合的に選択しますが、シラバスに掲載したものを変更する場合もあります。

英語で少し自信をつけるためには、漠然と英会話をやるよりは、自分の専門分野の英語に強くなることです。このSW外書購読を、そのためのきっかけにしていただければと思います。そのためには、例えば、自分の関心のあるテーマの動きが、外国ではどうなっているのかという観点から、英文資料を読んでいくことも大事です。その資料探しの手伝いをしますので、希望があれば、ご相談ください。

本科目の関連科目
1年次のフレッシュマン・イングリシュなど英語4単位を取得していること。

成績評価の方法
課題・小テスト
レポート
中間試験
定期試験
そ の 他
40%
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60%
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「課題・小テスト」は授業中の英文和訳等と授業外でnfu..jpスタディを通して行う予習等からなります。成績評価は、「課題・小テスト」と「定期試験」をもとに行います。

テキスト
□テキストを使用する
■レジュメを使用する
□未定 (最初の授業で指示する)
 



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