科目名 労働法

単 位 数 学年配当 開講期間 担 当 教 員
4 3 通年開講 青山 幸司

テーマ
労働の現場において生ずるさまざまな法的紛争について、網羅的に、その法的解決の手法を学んでいきます。

科目のねらい
<キーワード>
最低基準としての労働基準法  労働契約法による労働規制
集団的労働関係の基本法たる労働組合法  広範な判例法理による規制

<内容の要約>
 労働関係における重要法規である労働基準法、労働契約法及び労働組合法を中心とした、条文の解説と、実際に発生した労働紛争の法的解決である労働判例の解説を行っていきます。講義ではテキストに掲載されている内容を順次解説していくが、ときにその内容にとらわれることなく、その都度話題になっている内容についても解説をしていく。労働の重要論点の解説を中心にその根底にある考え方についても学んでいく。


<学習目標>
労働法に関する諸法規を読みこなせるようになる。
労働裁判において、論点となっている事柄を理解できるようになる
労働法における基本的な考え方を理解できるようになる

授業のながれ
講義ガイダンスおよび労働法の歴史
労働法のアクター:労働法における労働者、使用者および労働組合の概念(横浜南労基署長事件ほか)
労働条件の決定システム:労働基準法、労働契約法の位置づけ
募集・採用:労働契約の成立過程の解説(大日本印刷事件)
労働契約の期間:期間の定めの有無による労働契約の扱いの差異等の解説と、労働契約法による新規制の解説
平等原則:労働の分野における差別の禁止(三菱樹脂事件ほか)
労働契約の基本原理:労働契約における権利義務関係等の解説
就業規則:就業規則による労働条件設定機能等の解説(秋北バス事件ほか)
非典型雇用:有期契約、パートタイム等の非典型雇用に関する正社員労働者との規制の異同の解説
労働組合:労働組合の設立・運営等に関する基本的な法規制の解説
団体交渉:団体交渉に関する諸ルールの解説
労働協約その1:労働協約の役割と、規範的効力の解説(朝日火災海上保険事件ほか)
労働協約その2:効力発生要件、拡張適用の解説(都南自動車教習所事件ほか)
賃金:賃金の定義および法的規制の解説(片山組事件ほか)
労働時間:労働時間の定義および法的規制の解説(三菱重工長崎造船所事件ほか)
休憩・休日・時間外労働:長時間労働を規制する諸法規の解説(日立製作所武蔵工場事件ほか)
休暇・休業・休職:年次有給暇等の諸制度の解説(時事通信社事件ほか)
女性・年少者:母性の保護、年少者に対する保護に関する解説
安全衛生と労災補償:労災補償制度の意義と労災保険制度等の解説
配転・出向・人事考課:会社内における使用者の人事権とその限界の解説(東亜ペイント事件ほか)
労働契約の変更:就業規則による労条件の変更に関する法理の解説
紛争としての解雇その1:解雇権濫用法理の解説(高知放送事件ほか)
紛争としての解雇その2:整理解雇法理等の解説(東洋酸素事件ほか)
人格と自由の侵害:労働者のプライバシーの保護等の解説
企業秩序と懲戒その1:懲戒権の意義等の解説
企業秩序と懲戒その2:懲戒権濫用の法理の解説(横浜ゴム事件ほか)
争議行為その1:争議行為の意義、概念および正当性等の解説
争議行為その2:正当性のない争議行為の法的責任の所在等の解説
不当労働行為その1:不利益取扱い類型の解説
不当労働行為その2:団交拒否類型、支配介入類型の解説

準備学習の内容・学ぶ上での注意
 労働法は労働契約に関する諸規制をその中心内容等する契約法の一類型です。そのため民法の総則、契約法について事前にあるいは同時期に受講されているのが望ましいです。また憲法、刑法および行政法に関わる内容も含まれますので、これらの処方の基礎知識があったほうが望ましいです。
 受講するにあたっては、是非とも講義の初期段階(ゴールデンウィークぐらいですかね)までに、教科書を通読しておいてください。それにより、疑問点を明確にしたうえで受講をすれば、理解もしやすいかと思われます。
 日頃、法律の内容に接することは少ないであろう受講生の皆さんにとっては、聞きなれない用語、初めて聞く概念などが目白押しになるかとも思います。それらについてもできうる限り平易な言葉で解説していきますので、講義のノートはしっかりと取るように心がけてください。そのノートを参考にしながら、講義後教科書の該当箇所を必ず再読してください。

本科目の関連科目
 

成績評価の方法
課題・小テスト
レポート
中間試験
定期試験
そ の 他
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90%
10%
 成績の評価は、主に定期試験によって行います。これに若干程度、日ごろの受講態度を加味して最終的な評価を行います。

テキスト
■テキストを使用する
□レジュメを使用する
□未定 (最初の授業で指示する)
<著者>中窪裕也、野田進 <テキスト名>労働法の世界 第11版 <出版社>有斐閣



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