科目名 行政法

単 位 数 学年配当 開講期間 担 当 教 員
4 2 後期開講 高橋 洋

テーマ
行政法というは、民法とか刑法とかのような一つのまとまった法律のことをいうのではなく、ある共通の性格を持ったたくさんの法律のことをまとめていう言葉である。そのような行政法に共通する概念や原理、そしてそれを動かす組織の有り様を学ぶ。

科目のねらい
<キーワード>
法治主義  行政組織
権力的活動と非権力的活動  事前手続
行政救済

<内容の要約>
 我々の生活は、行政組織(行政体・行政機関・公務員)の活動なしには成り立たない。日本全国では何百万人もの人が公務員ないしそれと類似の職務について働いているし、それを目指す人もいるであろう。そうした人々は国会や地方議会・首長が採用した政策を実施しているのであるが、それは法律(や条例)の形で規則化されている場合がほとんどである。法律なしには行政はできないしくみ(法治主義)になっているのである。したがって、国や地方公共団体の動きを理解しようと思えば、行政に関する法律を理解することが不可欠である。行政が行う活動は、それが権力的な活動であれ非権力的な活動であれ、法律によって規制されているのである。それは活動の中身だけでなく、その手続(事前手続)にも及んでいる。そして、行政が誤った行為を行えば、行政にとっては些細なことであっても、対象となった市民には極めて重大な損害が生じることになるのであるから、それを正す手段・手続が整備されなければならない(行政救済)。この講義では、基本的には、行政活動の対象となる市民の目線から、こうした行政法を多面的に見ていくことにしたい。

<学習目標>
様々な分野で出会う行政法に属する法律を、行政法共通の原理・概念を踏まえて理解することができる。
違法もしくは不当な行政に直面したときに、それを正すための手段をとることができる。
国の省庁や都道府県庁、市町村役場がどのようなしくみと論理で行動しているのかを理解することができる。
日々の新聞で報道されている行政に関する事件の法的背景を理解することができる。

授業のながれ
はじめに−行政とは何か
行政法とは何か
行政法と市民・民事法秩序
行政体の意義と種類その1−国とその組織
行政体の意義と種類その2−地方公共団体
行政機関
行政体の人的要素−公務員その1
行政体の人的要素−公務員その2
行政による規範定立
行政行為その1―行政行為の意義と分類
行政行為その2−行政行為の効力と付款
行政行為その3−行政行為の瑕疵
行政契約
行政計画と行政指導
行政の実効性の確保手段その1−行政強制
行政の実効性の確保手段その2−行政罰
行政事前手続のしくみ
行政救済のしくみ・国家賠償その1−公権力の行使に基づく損害の賠償責任
国家賠償その2−公の営造物の設置管理の瑕疵に基づく賠償責任
国家賠償その3−特別法
損失補償
行政不服申立て
行政訴訟その1−行政訴訟の歴史
行政訴訟その2−抗告訴訟のしくみと種別
行政訴訟その3−取消訴訟の対象
行政訴訟その4−取消訴訟の原告適格と訴えの利益
行政訴訟その5−取消訴訟の審理と判決の効力
行政訴訟その6−公法上の当事者訴訟
行政訴訟その7−民衆訴訟と機関訴訟
まとめ

準備学習の内容・学ぶ上での注意
授業の流れは、後掲のテキストに沿っている。講義にあたってはレジュメも配布するが、授業前にテキストの該当箇所を読んでおくことが望ましい。また、小さいものでよいので、『××六法』というものを一つ用意しておくと良い。

本科目の関連科目
法と社会(日本国憲法)、法と人権、法律学、法学、日本国憲法

成績評価の方法
課題・小テスト
レポート
中間試験
定期試験
そ の 他
0%
20%
0%
80%
0%
主として定期試験で評価するが、学期の途中でレポートを提出してもらう。

テキスト
■テキストを使用する
■レジュメを使用する
□未定 (最初の授業で指示する)
<著者>手島孝・中川義朗編 <テキスト名>新基本行政法学 <出版社>法律文化社



(C) Copyright 2015 Nihon Fukushi University. all rights reserved.
本ホームページからの転載を禁じます。