科目名 哲学概論

単 位 数 学年配当 開講期間 担 当 教 員
2 1 後期開講 赤石 憲昭

テーマ
「人間とは何か」を哲学的に考察する

科目のねらい
<キーワード>
人間  認識
真理  正義
幸福

<内容の要約>
哲学は、「人間とは何か」ということを探求する学問です。われわれは物事をどのように知るのか、正しく行為するとはどういうことか、どのように生きるのがよいのか、というわれわれにとってきわめて重要な問題を哲学は考えてきました。本授業では、この哲学について、われわれの日常生活との関わりに留意しながら、その基本的な内容を学んでいきます。
 第一部(第2-5回)では、「われわれは何を知ることができるのか」という「認識」にかかわる問題を、第二部(5-8回)では、「われわれは何をなすべきか」にかかわる「正義」の問題を、第三部(第9-12回)では、「われわれは何を望んで良いのか」という「人生」にかかわる問題を、それぞれ代表的な哲学者の議論を紹介しながら学習していきます。そして第四部(第13-14回)では、とくに「福祉」の観点からいくつかの重要な観点を取り上げて、さらに「人間」に対する理解を深めます。
 以上の考察を通して、「人間とは何か」という問いに対する一定の理解を得るとともに、ますます混迷を深めるこの現代社会において「善く生きる」ためのヒントを学び取ります。
 授業は、レジュメを用いた講義形式で行い、適宜、思想家たちの実際の言葉を含んだ参考資料を配布します。また、授業時に受講票にコメント記入をしてもらい、次の回の冒頭でそれをもとにした復習も行います。

<学習目標>
・哲学の基本的な考え方と知識を身につける。
・福祉や教育の基礎となる人間の尊厳に配慮した人間理解を身につける。
・哲学の議論に学び、「人間」について多面的に考える。

授業のながれ
第1回  オリエンテーション:哲学とは?
第2回  ベーコンとデカルト:絶対確実な知識を手に入れるためには?
第3回  イギリス経験論:経験によってすべてのことを把握できるか?
第4回  カントとヘーゲル:認識は有限か無限か?
第5回  マルクスの唯物史観とフーコーの系譜学:真理は社会的に作られる
第6回  ベンサム・ミルの功利主義:「最大多数の最大幸福」
第7回  カントの道徳論:許される嘘はあるか?
第8回  アリストテレスの倫理学:重要なのは国か個人か?
第9回  快楽主義と禁欲主義:「心の平静」を保つためには?
第10回 実存主義と生の哲学:自分の生き方は自分で決める
第11回 精神分析学とフランス現代思想:欲望は抑えるべきか?
第12回 ハイデガーの存在論: 自分自身と向かい合うためには?
第13回 臨床哲学:他者の声をきちんと聴き取るには?
第14回 人間と承認:人間は承認を求める存在である
第15回 まとめ:「人間は、人間であるべき姿を絶えず決定していく存在である」

準備学習の内容・学ぶ上での注意
哲学者が議論の対象としているのはわれわれ「人間」のことです。それが自分自身のあり方とどう結びついているのかをつねに考えながら学習を進めてください。

本科目の関連科目
人間を根本的に考察する本科目は、直接的には「哲学(現代人間論)」と、間接的には全ての科目と関係します。

成績評価の方法
課題・小テスト
レポート
中間試験
定期試験
そ の 他
40%
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60%
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毎回の小課題(40点)+期末試験(60点)の合計100点満点のうち60点以上を合格とします。授業内に毎回、授業内容に関わるコメント記入をしてもらい、用紙6割程度の記入を満点の目安とします。期末試験では、哲学に関する基本的な知識の習得と、その議論を自分で人間の分析に応用することができるかを確認します。

テキスト
□テキストを使用する
■レジュメを使用する
□未定 (最初の授業で指示する)
<著者>参考書・参考資料1:坂井昭宏・宇都宮輝夫 <テキスト名>『イラストでわかるやさしい哲学』 <出版社>成実堂出版、2007年
<著者>参考書・参考資料2:マイケル・サンデル <テキスト名>『これからの「正義」の話をしよう:いまを生き延びるための哲学』 <出版社>早川書房、2010年(文庫版、2011年)



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