日本福祉大学 福祉経営学部

国際福祉開発特別演習T−1・T−2

単位数 学年配当 開講形態 教員名
各 2
2
前期・後期
吉村輝彦 (コーディネート)

テ|マ 開発コミュニケーション、 プランニングにおける問題理解や解決能力の向上

科目のねらい
 *開発コミュニケーション        *開発プランニング
*前期・1*岡本 (問題の発見、 分析と解決策立案) <合同> 
*前期・2*大竹 (国際社会研究)     *穂坂 (事業企画書の作成)
*後期・1*小椋 (知多半島の歴史)    *岡本 (社会調査の基礎)
*後期・2*斉藤 (市民による海外協力) <合同> 
<学習目標>
 討議やグループ作業を通じて、 国際社会や開発協力の分野についての視野を拡げ、 基本的な物の見方、 考え方、 問題の掘り下げ方、 計画の立て方を身につける。

授業のながれ
前期1:開発コミュニケーション (1) &開発プランニング (1) 合同/問題の発見、 分析と解決策立案 (担当:岡本)
ねらい:職場や人生の長い道のりでは、 限られた条件の中で対応策を考えたり、 いくつかの選択肢からどれか一つを選択したりしなければならないという問題に遭遇する。 そのようなときに必要とされるのは、 情報の収集力や処理力だけではなく、 問題の確定の仕方や決断の仕方というようなことが力を発揮する。 ここでは、 一つの組織として問題に対応していく場合を想定して、 問題発見から対応や解決策形成に至るプロセスと、 そのためのツールを身につける。
第1週:身近にあふれる 「非論理的」 主張の問題点を見抜く 
第2週:論理構造を掴む  
第3週:演繹や推測の正しさを検討する 
第4週:ロジカル・シンキング・トレーニング
第5週:仮説のつくり方
第6週:初歩的仮説の検討の仕方

前期2:開発コミュニケーション (2) /国際社会研究:民族と国家について考える (担当:大竹)
ねらい:民族とは何か、 民族を基盤として成立した近代国家の現実を考察し、 今日の国際社会の有り様を理解する。 2005 年度中に 27 国で 32 の武力紛争が起きている。 なかでも、 民族や宗教の対立が目立つ。 主な民族紛争 (イギリス、 旧ユーゴ、 ソマリア、 パレスティナなど) を素材に考察し、 国際社会の現実を検証する。 国際関係、 国際政治に関する基礎的知識の習得、 また、 基礎的文献の閲覧。 国際社会の発展について、 歴史的に考察し、 また、 その有り様について途上国の立場から考察・評価する視点を養う。
第1週:進め方、 概説
第2週:事例研究 (西欧中心)
第3週:事例研究 (東欧中心)
第4週:事例研究 (アフリカ)
第5週:事例研究 (中東中心)
第6週:まとめ

前期2:開発プランニング (2) /事業企画書の作成 (担当:穂坂)
ねらい:自分の提案を明快な文書の形で表現することは、 ほとんどすべての職場で求められるスキルである。 そのための問題分析の方法、 論理的な文書の構成、 適切な表現、 そしてプレゼンテーション能力を身につける。
第1週:既存の開発計画書を素材にして、 プランの論理構成を分析する (目標設定の手続き、 目標と手段の体系およびその整合性、 手段の実現可能性についての判断)。 分析の枠組みとして Project Design Matrix (PDM) を学ぶ。
第2週:タイの農村問題など事例に基づくビデオ教材を対象に、 KJ 法とグループ討論を通じて、 ある村の問題構造を明らかにし、 問題解決のための計画課題を設定する。
第3週:前週の発表をグループごとに行うが、 その後は各人が計画課題に対応する事業を特定し、 PDM にしたがって諸条件を整理し分析する。
第4週:自分の計画案について、 問題の背景、 提案の必要性、 事業の目的、 事業対象、 期待される成果、 活動内容、 必要な資源インプット (資金)、 事業期間、 モニタリングのための指標、 指標作成の方法、 実施体制、 事業の前提条件、 の各項目につき、 簡潔な事業提案文書を作成する。
第5週:提案書についての公開添削。 質疑応答。 プレゼンテーション (パワポの使用不可) の準備。
第6週:プレゼンテーション。 最後に、 この演習課題を相対化するため、 PDM の限界や非プロジェクト型開発プロセスの実例と意義について解説。

後期1:開発コミュニケーション (3) /知多半島の歴史から開発を学ぶ (担当:小椋)
ねらい:(1) 知多半島は、 半島であるがゆえに日本の社会の他地域とは異なった職業や産業が発達した。 それはなぜか。 地域社会の特色を理解する。 (2) 日本の歴史を学ぶ中で、 開発途上国の歴史を学ぶ視点を身につける。 (3) 地域貢献のあり方を考える。 (4) 知多半島の歴史から開発に必要なものは何かを考える。
第1週:雨池から学ぶ地域開発−−−日本福祉大学の景観から開発を考える
第2週:海から開発を考える (1) −−−北前船から学ぶ
第3週:海から開発を考える (2) −−−内海船と市場地域貢献のあり方を考える。
第4週:中埜酢店から学ぶ地域開発 (1)
第5週:中埜酢店から学ぶ地域開発 (2)
第6週:まとめ

後期1:開発プランニング (3) /社会調査の基礎 (担当:岡本)
ねらい:身近なテーマで仮説を設定し、 それを検証する調査と処理を実際に行うことで、 社会調査の基本的な考え方およびツールを身につける。 他のことに時間をとられないように、 喫煙マナー問題やドラッグ問題、 出生数といった問題で学内学生や職員を対象に行う。
第1週:身近な問題で論理的な妥当性を持つ仮説を設定し、 調査の方法を確定する。
第2週:質問票を作成して、 テストする。
第3週:前週の結果に基づき、 質問票を修正し、 サンプリング方法を確定する。
第4週:データを集計する。
第5週:クロス集計や度数分布表、 そのグラフや散布図を作成する。
第6週:これらから仮説の妥当性を検討し、 結論を導く。

後期2:開発コミュニケーション (4) &開発プランニング (4) 合同/市民による海外協力 (担当:斉藤)
ねらい:30 年以上の歴史をもつ NGO の事例を通して市民による海外協力について学ぶ。
第1週:発足の背景と最初の3年間
第2週:援助から協力へ
第3週:開発のプロとアカウンタビリティ
第4週:共生とはどういうことか
第5週:フェアトレード
第6週:まとめ


学ぶ上での注意・担当教員からの希望
 この科目は必修です。 前半 6 週と後半 6 週のリレー講義で、 前期 1 と後期 2 は全員ですが、 他は二つから一つを選んでください。 
<本科目の関連科目>

 「国際協力論」 「開発学概論」 「国際人権論」 「国際福祉論」 「開発行政」 「開発教育」

成績評価の方法
課題・小テスト
レポート
中間試験
定期試験
そ の 他





 各担当教員それぞれの方法で評価し、 その合計で最終評価とします。

テキスト □ テキストを使用する
□ レジュメを使用する
■ 未定 (最初の授業で指示する)



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