日本福祉大学 社会福祉学部

障害者福祉論 (保・心)

単位数 学年配当 開講形態 教員名
4
2
半期 (週 2 回)
木 全 和 巳

テ | マ  ―人権を基調に―
 21 世紀の 「〈障碍〉児・者〈福祉〉」 ―発達保障・権利保障の具体的な実現にむけて

科目のねらい
<内容の要約>
【キーワード】 人権 ノーマライゼーション リハビリテーション 自立支援 発達保障
 
「障碍」 は、 胎児期→子ども期→青年期→成人期→高齢期に至るライフサイクルのその時々に、 それぞれの社会条件で、 いろいろな場面で、 さまざまな生活上の困難をもたらすことがあります。 また、 「障碍」 そのものは抽象的に存在することなく、 ある時代のある国家のある地域のある家族の誰々というように、 必ず具体的な名前を持った一人の人間を通して、 具現します。 講義では、 ゲスト講師・ビデオを通して、 できるだけ具体的に 「障碍」 児・者の社会生活・日常生活を紹介しつつ、 「障碍」 に関する、 歴史・社会・文化・福祉について、 イメージをもった学びができるようにと、 考えています。
<学習目標>
・「ノーマライゼーション」 「リハビリテーション」 などの障碍者福祉の基本的な理念について理解して、 説明ができる。
・ICF の 「障碍」 構造などを理解して、 障碍とは何かについて説明ができる。
・障碍者福祉の歴史の流れを理解して、 その発展のすじみちが説明できる。
・「障害者自立支援法」 などによる制度や政策を理解して、 障碍者福祉サービスなどの提供のしくみが説明できる。

授業のながれ
1. 障碍者福祉論受講ガイド
2. 障碍者福祉に影響を与えた思想(1):「自立生活運動」 @;運動の歴史と理念
3. 障碍者福祉に影響を与えた思想(1):「自立生活運動」 A;「合州国 ADL 法」
4. 障碍者福祉に影響を与えた思想(1):「自立生活運動」 B;「ピープルファースト」
5. 障碍者福祉に影響を与えた思想(1):「自立生活運動」 C;「ピアカウンセリング」
6. 障碍者福祉に影響を与えた思想(2):ノーマライゼーション@;スウェーデン
7. 障碍者福祉に影響を与えた思想(2):ノーマライゼーションA;思想家たち
8. 障碍者福祉に影響を与えた思想(3):リハビリテーション@理念
9. 障碍者福祉に影響を与えた思想(3):リハビリテーションA職業リハの実際
10. 障碍者福祉に影響を与えた思想(3):リハビリテーションBジョブコーチ
11. 障碍者の人権に対立する思想(1):優生思想;選択的中絶
12. .障碍者の人権に対立する思想(2):社会防衛思想;精神障碍者
13. 障碍者の人権に対立する思想(3):「らい予防法」 と社会防衛、 隔離、 優生思想
14. 障碍者の人権と性的保障:障碍者と〈性〉のノーマライゼーション
15. 障碍者の人権と所得保障:無年金障碍者問題
16. 障碍者の人権と移動・介助保障:補助犬制度をめぐって バリアフリー
17. 障碍と障碍者をどう理解したらよいのか(1):「ろう文化宣言」
18. 障碍と障碍者をどう理解したらよいのか(2):WHO 国際障碍分類 ICIDH(1980)
19. 障碍と障碍者をどう理解したらよいのか(3):WHO 国際生活機能分類 ICF(2001)
20. 障碍者観・障碍者福祉制度の変遷(1):「古事記」 「日本霊異記」 など;文化史
21. 障碍者観・障碍者福祉制度の変遷(2):明治期から戦前まで;女性史
22. 障碍者観・障碍者福祉制度の変遷(3):身体障碍者福祉法の成立;制度史
23. 障碍者観・障碍者福祉制度の変遷(4):発達保障と重症心身障碍児
24. 障碍者観・障碍者福祉制度の変遷(5):薬害 (スモン) と難病対策
25. 障碍者福祉制度の変遷(6):人権理念の具体化と国際障碍者運動
26. 障碍者観・障碍者福祉制度の変遷(7):社会福祉基礎構造改革と支援費制度
27. 障碍者観・障碍者福祉制度の変遷(8):障害者自立支援法の現状と課題
28. 現代の課題(1):施設解体をどう考えるのか
29. 障碍者福祉実践の現状と課題(1):施設での暮らしを創る:ゲスト講師
30. 障碍者福祉実践の現状と課題(2):地域での暮らしを支える;ゲスト講師
*みなさんの反応や質問や感想により、 随時、 柔軟に変更しながら、 進めていきます。

学ぶ上での注意・担当教員からの希望
 300 人規模の大教室での講義となります。 講義時間数は限られていますので、 障碍者福祉についての基本的な考え方と基礎的な知識の伝達が、 この講義の内容となります。 講義で触れた考え方と知識が、 活きて働くように、 実際に障碍がある子どもたちや仲間たちとふれあう経験をもつ、 毎時紹介した参考文献を読むなど、 みなさん一人ひとりの主体的な学びを期待します。 セメスター制導入で、 課題が小論文と試験が半期にまとまります。 集中して、 学びましょう。
<本科目の関連科目
 「社会福祉原論」 「社会福祉方法論」 「社会福祉発達史」 「精神保健福祉論」 「障害児の病理と保健」 「障害者心理学」 「障害児心理学」 など

成績評価の方法
課題・小テスト
レポート
中間試験
定期試験
そ の 他




 課題レポート (論考:30 点) と試験 (知識重視記述式:70 点) で判定します。 どちらも基準点に満たない場合は、 不可とします。

テキスト ■ テキストを使用する
■ レジュメを使用する
□ 未定 (最初の授業で指示する)
 佐藤久夫/小澤 温 『改訂版 障碍者福祉の世界』 有斐閣 2003 年 (初版 2000) 1,700 円を。
*制度施策の転換期でもあり、 必ずレジュメと資料を用意します。 きちんとファイルをして、 毎時間持ってきて下さい。



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