日本福祉大学

日本福祉大学　社会福祉学部

社会福祉発達史（社）

単位数	学年配当	開講形態	教員名
4	2	集中＋半期	永　岡　正　己

テ｜マ	世界と日本の社会福祉の歴史

科目のねらい

＜内容の要約＞
【キーワード】　人権　救貧制度　慈善事業　福祉国家　ソーシャルワーク
　世界と日本の社会福祉の歩みを、社会や生活の変化と関連させて総合的に学び、歴史的な視座を身につける。
　前半ではイギリス、アメリカ、北欧、アジアの例を取り上げ、社会福祉の展開の共通性や特質を理解し、慈善・救済・互助から社会福祉に至る歩みの全体像を把握する。後半では近現代日本の社会福祉の展開過程を、制度・政策、施設や地域での実践、社会福祉に生きた人々の事例を取り上げながら具体的に理解する。また、それらを通して人々のニーズとそれらに対する援助がどのように変化してきたかを捉え、政策・実践・技術・思想の総合的理解を行うとともに、今日の歴史的到達点や課題を理解し、社会福祉を発展させる力と援助実践のもつ意味、社会福祉の展望を考える。
＜学習目標＞
１．社会福祉の歴史的展開の流れ、背景、要因を理解する。
２．歴史を通して社会福祉の全体と各領域・分野の位置を理解する。
３．重要な出来事、制度、施設、人物等に関する基礎知識は正確に身につけ、国家試験にも対応できるようにする。

授業のながれ

１．社会福祉史の意義・方法・課題、文献紹介
２．イギリス①―救貧法の成立と展開
３．イギリス②―慈善事業における人間と社会
４．イギリス③―貧困の社会的発見と社会事業
５．イギリス④―福祉国家とソーシャルサービス
６．アメリカ①―救貧制度と慈善事業の形成
７．アメリカ②―ソーシャルワークと専門性の成立
８．アメリカ③―ニューディール期から戦後福祉へ
９．アメリカ④―福祉政策と実践の展開と特質
10．ドイツとフランスにおける社会福祉の歩み
11．スウェーデンにおける社会福祉の歩み
12．アジア諸国における社会福祉の歩み
13．社会福祉の歴史の全体像と日本の位置
14．社会福祉の歴史から学ぶもの
15．予　備

１．日本の社会福祉の全体像と枠組み
２．明治国家と救貧制度－－－恤救規則体制の成立
３．明治初期の慈善事業－－－草創期の慈善事業と人々
４．産業革命期の慈善救済事業－－－社会と労働への視点
５．感化救済事業と国民統合－－－慈恵・組織・公私関係
６．第一次世界大戦後の社会と社会事業の成立
７．世界恐慌と社会事業－－－救護法体制と公私実践
８．第二次世界大戦と戦時厚生事業の展開
９．戦後改革と社会福祉－－－社会福祉の原点を見る
10． 1950 年代の社会福祉－－－制度形成と運動
11． 1960 年代の社会福祉－－－高度成長と政策・実践
12． 1970 年代から今日へ－－－福祉再編過程を考える
13．今日の福祉改革の動向と歴史的課題
14．全体まとめ：社会福祉の歴史と展望
15．試　験

学ぶ上での注意・担当教員からの希望

　社会福祉をめぐる今日の動向に関心をもって受講して下さい。随時ビデオ教材を用います。国家試験問題の紹介は内容に関連して行う予定です。質問・意見は遠慮なく出してください。くわしい内容は開講時に説明します。
＜本科目の関連科目＞
　社会福祉原論、社会保障論、社会福祉援助技術論

成績評価の方法

課題・小テスト
レポート
中間試験
定期試験
その他

10％
％
30％
50％
10％

　中間レポート 30 点、期末試験 50 点、講義中の小テスト（3 回）及び出席 20 点を合わせて総合的に評価する。ただし、中間レポートの提出がない場合は評価できなくなります。

テキスト	■ テキストを使用する □ レジュメを使用する □ 未定（最初の授業で指示する）	一番ケ瀬康子（監修）・山田美津子『社会福祉の歩み―欧米編』一橋出版（介護福祉ハンドブック、 2001 年）宇都・土井・永岡編『日本社会福祉のあゆみ』有斐閣（2006 年、近刊） 2 冊使用