科目名 テーマ演習T
(人権を考える)
時 限
金−3

単 位 数 学年配当 開講期間 担 当 教 員
2
2
前 期
中 川 晴 夫・安 藤 富 雄

テ | マ  身近な問題や社会問題を通して、 基本的な人権のあり方を考える

講義の概要・ねらい
  「人間は、 草木とちがって、 ただ生きてゆくというだけではなく、 人間らしい生活をしてゆかなければなりません。 この人間らしい生活には、 必要なものが二つあります。 それは 『自由』 ということと 『平等』 ということです」 「この自由と平等とは、 みなさんの権利です」
 これは日本国憲法が施行された 1947 年、 文部省がつくった 『あたらしい憲法のはなし』 という中学生用の教科書の一節である。 ところで現在の日本の社会、 その中で営まれている私たちの毎日の生活は、 はたして憲法が掲げている 「自由」 と 「平等」 という権利がすべての人に行き渡っているだろうか。
 草木といえども、 ほっておいては大きく育たないし、 環境が悪化すれば枯れてしまう。 人間の権利もただ憲法に書いてあるだけでは実現しないし、 ましてや一部の者が自分たちの私利私欲を満たすために、 他人の権利を侵害し、 極端な場合は生命さえも脅かすこともある。 私たちは絶えず自分たちの権利を点検し、 日のあたらないところで苦しんでいる社会的弱者の権利を守らなくてはならない。 このテーマ演習では、 このような観点から、 自分及び自分の周りの人たち、 さらに社会全般に視野を広げて権利の問題を考えていく。
 再び 『あたらしい憲法のはなし』 から引用すると、 「このいちばん大事な権利のことを。 『基本的人権』 といいます。 あたらしい憲法は、 この基本的人権を、 侵すことのできない永久に与えられた権利として記しているのです」 と書いている。 この演習のねらいは、 「侵すことのできない永久に与えられた権利」 を具体的な事象をもとに考えていくことである。

講義のながれ
 以下のようなテーマを例として取り上げる予定である。
@ 「人権」 とは何か―身近な生活や新聞記事を中心に考えてみよう―
A 「社会的排除者」 「社会的弱者」 について考える。 ―例えば、 ホームレス・引きこもり・非識字者・ 「ニート (NEET)」 「ハンセン病」 などの問題―
B 「夜間中学」 の問題から見えてくるもの
C 「障害者の人権」 と労働・教育問題  「ノーマライゼーション」
D 「同和問題と人権」 ―地域と人権―
E 「ジェンダー」 問題と男女共同参画社会について考える
F異文化理解と人権 「在日外国人やその子どもたちの人権について考える」
G国際的な人権への取り組み―国連ミレニアム目標・国連 「国際年」 などの取り組みを中心に―
H 「子どもの権利条約」 と日本における児童・生徒の実態
I児童労働・児童兵士の問題と国際支援活動なお、 上記のテーマについては問題提議として、 資料 (ビデオも含む) を提供する。

学習上の留意点
 この演習は自分からテーマを設定し、 その問題について主体的に調査、 研究を進めることを基本とするから、 教師からの指示を待つという受身の姿勢ではなく、 積極的にとりくむこと。 ただしテーマによっては、 全体講義 (ゲスト講師も含む) あるいはフィールドワークも実施する。

成績評価の方法
 演習で調べたこと、 学んだことをまとめたレポート、 および出席によって総合的に判断する。

使用テキスト
 とくに指定しない



(C) Copyright 2005 Nihon Fukushi University. all rights reserved.
本ホームページからの転載を禁じます。