日本福祉大学

日本福祉大学　福祉経営学部

民　　法

単位数	学年配当	開講形態	教員名
4	2	後期	岩　田　公　雄

テ｜マ	市民社会と民法　－市民社会の法的基礎構造を学ぶ－

講義のねらい

　近代の市民革命によって自由と平等が確立された市民社会の中に、市民の日常生活や企業の経済取引を律する法規範が見出される。これこそが民法に他ならない。
　民法は、市場経済を秩序づけ（所有権、契約など）、有り得べきではない状態を回復し（不法行為、物権的請求権など）、家族関係も導いている（夫婦、親子、相続など）。民法の適用範囲は至って広く、他の法領域とも強く結びつき、また、労働法、社会保障法、経済法、消費者法などは、民法の限界を是正するために形成されている。
　そこで、この講義では、「人」「物」「所有権」「契約」「不法行為」という基礎概念を取り上げることにより、市民社会の法的基礎構造を学ぶことを目的とします。
　また、一年の「法と人権」「法と社会（日本国憲法）」、二年の「法学」「法律学」から、「消費者と法」へ、さらには三年の「企業法」「労働法」へと繋ぐことも、この講義のもう一つの目的です。

講義のながれ

1　講義のはじめに（受講ルールと民法の勉強の仕方）
2　市民革命と民法
3　自然人の能力　－「人」に関する民法①－
4　男女の法的関係　－「人」に関する民法②－
5　親子の法的関係　－「人」に関する民法③－
6　相続　－「人」に関する民法④－
7　法人　－「人」に関する民法⑤－
8　有体物　－「物」に関する民法－
9　所有権の意義　－「所有権」に関する民法①－
10　所有権の効力　－「所有権」に関する民法②－
11　所有権以外の物権　－「所有権」に関する民法③－
12　不動産物権変動　－「所有権」に関する民法④－
13　動産物権変動　－「所有権」に関する民法⑤－
14　契約の意義　－「契約」に関する民法①－
15　契約の効力　－「契約」に関する民法②－
16　契約違反の救済　－「契約」に関する民法③－
17　売買型契約　－「契約」に関する民法④－
18　貸借型契約　－「契約」に関する民法⑤－
19　労務供給型契約　－「契約」に関する民法⑥－
20　その他の契約　－「契約」に関する民法⑦－
21　不法行為の意義　－「不法行為」に関する民法①－
22　故意・過失　－「不法行為」に関する民法②－
23　権利侵害　－「不法行為」に関する民法③－
24　損害の発生と因果関係　－「不法行為」に関する民法④－
25　特殊な不法行為　－「不法行為」に関する民法⑤－
26　講義のおわりに（まとめとスキルの向上）

学ぶ上での注意・担当教員からの希望

①　何故そうなるのかを、記憶するのではなく、その根拠から論理的に考えること（これが「法的に考える」ことの核心です）。
②　考えるときは、必ず六法をみること。
③　出席カードに、質問・意見・感想等を書くこと。
④　分からなければ、何でも質問すること。

成績評価の方法

　出席点（40 点）＋期末試験（60 点）

テキスト	青山善充・菅野和夫（編）『ポケット六法』（平成 17 年度版）有斐閣【備考】：毎回、講義案を配布する。