日本福祉大学 社会福祉学部

社会保障論 (保)

単位数 学年配当 開講形態 教員名
4 3 通年 長 沼 建一郎

テ|マ 社会保障制度の現状と問題点を理解する

講義のねらい
 日本における現行の社会保障制度についての説明にウェイトを置く。 現行制度の内容と、 その考え方を理解するとともに、 その問題点についても検討していきたい。
 社会保障 (特に社会保険) 制度は、 当事者関係にしても、 また給付や財政の仕組みにしても、 単純ではない。 しかもこれらが幾多の制度改正を経て、 複雑さに輪をかけている。
 そしてこのような社会保障制度を、 今後どのように改革していくべきかが激しく議論されている。
 しかし現行制度を支持し、 その維持を主張するにせよ、 あるいは逆に現行制度を批判し、 改革を主張するにせよ、 まずは現行制度を客観的・精確に理解することから始めなければならない。 いたずらに簡略化して説明しても、 制度を真に理解したことにはならないので、 本講義ではこれらの複雑な制度を正面から説明することを試みたい。 (講義では、 私自身の意見を述べることもあるが、 目的はあくまで制度自体を理解することである。)
 ただし社会保障論の領域はきわめて広範であり、 すべてをカバーすることはできないので、 講義ではある程度重要なポイントに絞って説明する。 また領域としては、 社会保険 (特に年金) に講義の大きなウェイトを置く。
 なお制度は刻々改正を重ねており、 なるべく最新の内容をフォローするように努めるが、 制度の表層だけにとらわれず、 基本的な考え方を理解することが重要である。 制度を理解するために必要な、 もろもろの理論的なアプローチ (リスク論、 ゲーム論、 福祉国家論等) についても、 時間が許す範囲で言及したい。

講義のながれ
総  論  前期 1〜6 回  (ライフサイクルと社会保障、 社会保障の目的・機能、 社会保障の体系、 社会保障の歴史 他)
年  金  前期 7〜12 回 (年金財政、 国民年金、 厚生年金、 年金と雇用、 女性と年金 他)
医療保険  後期 1〜4 回  (制度体系、 保険診療・保険給付、 高齢者医療、 医療提供体制 他)
介護保険  後期 5〜6 回
労働保険  後期 7〜8 回  (労働者災害補償保険、 雇用保険)
民間保険  後期 9〜10 回
そ の 他  後期 11〜12 回  (社会手当、 その他のトピックス)
(※内容、 順序等は適宜変更することがある。)

学ぶ上での注意・担当教員からの希望
 上記の通り、 扱う内容は複雑かつ難解であり、 これらを理解するためには講義を毎回聴講することに加えて、 一定の自習 (予習・復習) を行うことがどうしても必要である。 毎回の出席は取らない予定だが、 中途半端な聴講では、 講義内容を理解するのは難しいと思う。

成績評価の方法
 年度末の筆記試験を予定している。 (昨年度は、 15 問の正誤問題−−−誤った記述については、 それをどう直せば良いかを回答するもの−−−を中心に出題した。)
 あわせて前期末に確認テストを行う予定。

テキスト なるべく最新の内容を盛りこんだものを使用したいので、 別途指定する。
(昨年度は、 椋野・田中 『はじめての社会保障』 有斐閣を利用した。)



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