日本福祉大学 社会福祉学部

総合政策学 (保)

単位数学年配当開講形態教員名
43通年長 沼 建一郎

テ|マ政策の立案・決定・執行プロセスの仕組みと問題点を理解する

講義のねらい
 本年度より開講となる科目である。
 本講義では、 およそ政策というものが、 どのような領域において、 どのように立案・決定され、 執行されるのかについて、 その理論的枠組みおよび基礎的な概念について、 一通り説明することを目的とする。
 総合政策学と題されているが、 これを聴講すればすべての政策について分かるようになる、 というような夢のような科目であるはずがない。 むしろ逆かもしれない。
 講義で扱う内容についてのイメージをつかめるように、 下記の文献を挙げておく。 一年間の講義では、 これらの文献の内容をシャッフルして扱うような形になると思う。
   宮川公男  『政策科学の基礎』  東洋経済新報社、 1994 年
   足立幸男  『公共政策学入門』  有斐閣、 1994 年
   スピッカー  『社会政策講義』  有斐閣、 2001 年
 政策科学へのアプローチとしては、 行政学の応用分野としての 「政策学」、 経済学の応用分野としての 「公共経済学」、 法律学の応用分野としての 「法政策学・立法学」 などの研究あり、 多様な議論が展開されてきている。 したがって本講義においても、 関連する社会科学の方法論 (政治学、 法律学、 経済学等) をある程度用いることになろう。
 社会福祉をはじめとする実際的な領域への適用・応用についても言及するが、 全体としては、 政策にかかる理論的な枠組みについての説明が中心となる。 なお可能であれば、 具体的な政策領域にかかるゲストスピーチの機会も設けたい。

講義のながれ
1 . 総合政策とは何か ((1)政策サイクル、 (2)市場の失敗、 (3)公共性)
2 . 政策の意思決定の方法と過程 ((1)立法過程、 (2)行政過程、 (3)司法過程)
3 . 公共政策の策定と決定過程
   (1) 政策決定モデル ((1)政治学モデル、 (2)合理的モデル)
   (2) 政策プロセス研究 ((1)分析的パラダイム、 (2)政策の窓)
   (3) 政策の選択 ((1)合理的意思決定、 (2)個人選好と社会的選択)
4 . 政策と政治・経済 ((1)イデオロギー、 (2)政治経済体制)
5 . 政策の評価 ((1)評価基準、 (2)政策評価ガイドライン)
6 . 政策と財政 ((1)予算、 (2)税制)
7 . 政策と地域・自治体
8 . 政策と民主主義 ((1)民主的政治過程の役割と限界、 (2)政治哲学的基礎づけ)
9 . 政策とソーシャルワーク ((1)福祉官僚制と専門職、 (2)ストリートレベル官僚制)
10. 社会福祉政策の動向
11. 保健医療政策の動向
12. その他の領域への適用事例 (消費者保護政策、 環境政策、 雇用政策 他)
(※内容、 順序等は適宜変更することがある。)

学習条件・履修上求められるもの
 説明内容の表面だけにとらわれず、 基本的な考え方を理解することが重要である。
 毎回の出席は取らない予定だが、 決められたテキストに沿って進めるわけではないので、 毎回講義に出席し、 真剣に取り組まないと、 講義内容を理解するのは難しいと思う。
 また他の科目との間がやや薄いので、 一定の自習 (予習・復習) を行うことも必要であろう。

成績評価
 年度末に筆記試験を予定している。 あわせて前期末に確認テストを行う予定。

テキスト参考文献等を適宜指定する。



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