現代社会と女性

単位数学年配当開講形態教員名
22前期稲 子 宣 子

テ┃マ男女共同参画社会の実現をめざして

講義のねらい
 20 世紀最後の年である 2000 年の 12 月 12 日、 男女共同参画基本計画が閣議決定されました。 この 「基本計画」 は、 1999 年 6 月に公布・施行された男女共同参画基本法にもとづくもので、 「政策・方針決定への女性の参画の拡大」 「社会制度慣行の見直し」 「雇用等における男女の均等な機会と待遇の確保」 「女性への暴力の根絶」 「男女の職業生活と家庭・地域生活の両立の支援」 などをかかげています。 しかしこれらを実現するための条件は、 きわめて厳しいのが実状です。 それでは一体どこに問題があるのか、 そしてこれらの問題を解決するには具体的にどうすればよいのでしょうか。 日本の女性および男性のおかれている現状をできる限り正確に把握しつつ、 受講生とともに深く考察していきたいと考えています。

講義のながれ
第 1 週 序論 (女性である私自身が、 一人の人間として、 研究者として、 母として、 妻としてどのように生きてきたかを、 その社会的な背景を明らかにしながらお話しします)
第 2 週 日本の女性が歩んできた道
第 3 週 こころとからだ 愛と性 (その 1)
第 4 週 こころとからだ 愛と性 (その 2)
第 5 週 教育における男女平等
第 6 週 働く女性の諸問題 (その 1) 男女雇用機会均等法の施行と改正 母性の保護と平等
第 7 週 働く女性の諸問題 (その 2) 男女間賃金格差と女性差別 セクシャル・ハラスメント
第 8 週 結婚をめぐる諸問題 日本の 「家」 と女性 家族をめぐる法律の動き
第 9 週 出産と子育てをめぐる問題 仕事と家庭を両立させるために
第10週 アジア女性に対する性差別 従軍慰安婦の問題
第11週 政策決定にかかわる女性 文化の創り手としての女性 女性のネットワーキング
第12週 女性をめぐる世界の潮流 「女性に対する差別撤廃宣言」 から 「国際女性年世界大会」 へ
第13週 これからの課題 「法的平等」 から 「事実上の平等へ」 新しい前進をめざして

学習上の留意点
 日刊の新聞紙上にはしばしばこの講義の内容に関連する記事が掲載されますので、 受講生は特に留意してこれらの記事を読み、 その内容を自分で検討してください。

成績評価
 期末テスト (持ち込み不可) によりますが、 この講義に対する理解度を知る為、 ときどき出席者に小論文を書いてもらいます。 そしてこれも成績評価の対象とします。

テキスト岩男寿美子・加藤千恵編 『女性学キーワード』 有斐閣、 1997 年 (2000 年に補訂されたもの)


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